俳句の作り方 - 俳句入門 「お~いお茶新俳句」入選を目指して 俳句大学
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ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア
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2022.04.01
2022.12.04
B!
目次
ア行
ア
あき 秋
あき 秋【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.27
会をしに出てゆく秋の体たち 鴇田智哉 日本語としては意味がつながっていますし、難しい言葉が使われている訳でもありません。なのにわからない。何の会だろう。どこから出てゆくのだろう。秋...
あきぞら 秋空
あきぞら 秋空【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.22
共感覚という言葉をご存知ですか。色から音を感じたり、音で痛覚を刺激されたり。味覚から色を感じることもあります。本来関連性を持たない五感のあるものとあるものが響き合う現象です。ヒトの...
あきつばめ 秋燕
あきつばめ 秋燕【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.23
燕は三つの季節にまたがる季語です。まず「燕」は春。春先、南方から渡ってきて巣作りを始める燕です。「子燕」は夏。巣の中から黄色い嘴をのぞかせる燕の子です。そして秋燕。日本での繁殖を終...
あきのの 秋の野
あきのの 秋の野【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.25
俳句とはなんでしょうか。絵本作家の五味太郎さんは、サッカーのボールのようなものと答えています。以下は五味さんが絵本のために書いた文章の一部です。 「言葉というものは、人間の、頭から...
あさざむ 朝寒
あさざむ 朝寒【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.28
俳句に於いて音韻はどのように働くものなのでしょうか。次の句を例に考えてみたいと思います。 朝寒やフレーク浸る乳の色 高柳克弘 音韻で目を引くのはフレーク、浸るという「は行」の音の...
アニミズム
アニミズム【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.1
あさがほのかたちで空を支へあふ 小津夜景 朝顔、もちろんご存知ですよね。あの花が空を支えているというメタファーが素敵な一句。ですが「あさがほのかたちで」の「で」が気になります。「...
あり 蟻
あり 蟻【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.1
蟻強しこゑもことばも持たぬゆゑ 髙柳克弘 夏の一日、蟻の列を観察したことはないでしょうか。黙々と移動し続け、倦む事を知らない働きぶりに畏敬の念さえ抱きます。戦利品となる骸を刻み、...
ありまあきと 有馬朗人(1930-2020)
ありまあきと 有馬朗人(1930-2020)【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.2
タレースの万物は水澄みにけり 多様な作品を残した作者の代表句とは言えないかもしれませんが、個性がよく表れた作品。「トルコ紀行十九句」という前書きがついている連作の一句です。物理学者...
あんじ 暗示
あんじ 暗示【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.27
梅雨晴や文字より落つるチョークの粉 池田瑠奈 俳句は短いので、言いたいことの全部を述べることはできません。そこで登場するのが暗示のテクニック。別の物を提示して、読者に気づかせます...
イ
いいかえふのうなことば 言い換え不能な言葉
いいかえふのうなことば 言い換え不能な言葉【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.4
NHK俳句の中で司会の武井壮さんがこんな句を読みました。 川底の石まるまると山椒魚 武井壮 川底まで見える水の透明感が素敵な一句です。清流に棲む山椒魚の体つきが丸い石の姿と響き合...
いと
いと【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.2
枕草子に出てくる「いとをかし」。大層趣き深いことだなあ、と訳されるアレ。「いと」は大層という意味の副詞です。俳句ではめったにお目にかかりませんが、あることを見分ける際に重宝します。...
いどうショット 移動ショット
いどうショット 移動ショット【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.6
撮影技法の一つで、ドリーとも呼ばれます。レールを使用した大掛かりな撮影となるのですが、忘れがたい効果を残すことができます。有名なもののひとつはデビッド・リーン監督の「アラビアのロレ...
いのしし 猪
いのしし 猪【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.11
色彩のコントラストが鮮烈な作品を一句ご紹介しましょう。 猪の腹裂く青空を一度見て 杉浦圭祐 猪が秋の季語。歳時記には「晩秋になると、夜 山から里へ下りてきて田や畑を荒す。芋・豆な...
いまいせい 1 今井聖(1950-)
いまいせい 1 今井聖(1950-)【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.13
俳人・今井聖は動画で私のインタビューに答えてくださっています。(YouTubeで「ハイクロペディア」を検索して見てください)人間探求派として知られる加藤楸邨の最後の弟子であることを...
いまいせい2 今井聖(1950-)
いまいせい2 今井聖(1950-)【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.15
卒業の日の体育用具室の匂ひ 体育用具室の匂い、覚えていますか?確か、体育館の入り口のあたりにあってマットや跳び箱が置かれていました。埃っぽくて黴臭くてちょっと冷たい場所。決していい...
いよかん 伊予柑
いよかん 伊予柑【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.16
俳句では動く、動かないということがよく言われます。動くとは他の季語に交換可能ということ。動かないとは、作中の季語の言い換えができないこと。もちろん動かない方が上質とされます。そんな...
ウ
うつりかわるきご 移り変わる季語
うつりかわるきご 移り変わる季語【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.4
季語とは決して不変のものではありません。新しく生まれるものもあれば、消えてゆくものもある。冷蔵庫(夏)やナイター(夏)などが新しい季語。そうそうブーツ(冬)も最近のもの。絶滅寸前な...
エ
えんきんほう 遠近法
えんきんほう 遠近法【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.6
少年の見遣るは少女鳥雲に 中村草田男 俳句を絵画の用語で批評することが出来ます。この句はNHK俳句テキストに堀本裕樹さんが、「絵画的な奥行きのある句」の例として出しているもの。...
オ
おいる 老いる
おいる 老いる【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.8
突然ですがクイズです。口語の「老いる」を文語にすると何になるでしょう? 「老う」「老ふ」と答えたが何人かいらっしゃるはず。ですが「老う」も「老ふ」も誤り。ひっかけ問題みたいで恐縮で...
おくのほそみち 奥の細道
おくのほそみち 奥の細道【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.30
事実は一つですが、真実はいくつもあると言われます。事実とはファクトのこと。犯罪捜査でいえば物証やアリバイに当たる言葉で、客観的で揺るぎのないものと考えられています。ところが真実はい...
おと 音
おと 音【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.18
俳句は言葉の写真と呼ばれます。一瞬の映像を切り取るという意味ですが、優れた句は視覚だけではなく、さまざまな感覚を刺激してくれます。触覚、嗅覚、味覚。聴覚を再現してくれる句もあります...
おどり 踊
おどり 踊【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.20
踊りは盆踊りのこと「本来先祖のためのものだったが娯楽になり、浴衣がけの男女が音頭にあわせて夜の更けるのも忘れて踊るようになった」と歳時記に記されています。通年行われる舞踊やダンスは...
オマージュ
オマージュ【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.12
籐椅子に深く座れば見ゆるもの 星野高士 籐椅子は籐製の夏用の椅子。最近は珍しくなりましたが、昔は避暑地のホテルや別荘でよく見かけました。クラシックな家具のひとつです。大抵は庭や海...
おやこ 親子
おやこ 親子【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.22
俳句で親子の情愛を詠むのは意外に難しいこと。観念的になりがちで、気をつけないと標語や処世訓のようになってしまう。それを避けるためには、類句にない切り口や情景を見出す必要があります。...
おんいん 音韻
おんいん 音韻【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.25
俳句では、意味よりも調べが重視されることがあります。17音に意味を詰め込むよりも、ゆったりと音韻の豊かさを味わいたい。そんな作り方が許容される詩形なのです。次にご紹介する句は、その...
おんいん2 音韻2
おんいん2 音韻2【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.28
朝寒やフレーク浸る乳の色 高柳克弘 俳句は調べが重要。音韻が重視される所以です。とはいえ、わざとらしいほど同じ音が続くと作者の意図が透けてしまいます。ドヤ顔が見えてしまう訳ですよ...
おんがくようご 音楽用語
おんがくようご 音楽用語【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.27
俳句に音楽用語を用いると、聴覚の印象を深く刻むことができます。音の聞こえてくる一句、例えばこんな作品です。 オクターヴにひらきし十指合歓の花 浦川聡子 合歓(ねむ)の木はその名の...
おんきょうこうか 音響効果
おんきょうこうか 音響効果【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.9
映画は光の芸術ですが、同時に音響の芸術でもあります。試みに、自宅でビデオを見る際、音を消してみてください。見事に緊張感が薄れます。映画館では、広がりのある音が聞こえるドルビー・サラ...
おんびん 音便
おんびん 音便【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.11
音便とは、言葉の一部が脱落して元の音と違ったものに置き換わる現象のこと。こういうと難しそうですが「咲きて」が「咲いて」となったり、「早く」が「早う」、「飛びて」が「飛んで」、「知り...
カ行
カ
かいが 絵画
かいが 絵画【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.29
俳句はしばしば一葉の写真に例えられます。一瞬の景色を切り取るという意味ですが、同じ芸術である絵画とも共通点を持っています。写真と絵画。よく似ていますが違いもあります。例を挙げて相違...
かいがいえい 海外詠
かいがいえい 海外詠【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.6
旅人の木という影の涼しかり 対馬康子 一般に海外詠は難しいとされます。季節感が日本とは違いますから季語の使い方が困難。かの加藤楸邨がシルクロード吟行で季語を見つけるのに苦労した、...
かやりび 蚊遣火
かやりび 蚊遣火【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.15
ある時、句会で「恋」を詠めというお題が出ました。みなさん頭を抱えましたが、私ときたら七転八倒。だってあまりに昔のことで思い出せなかったのです。その挙句、なんとか捻り出したのが次の一...
かぎょうへんかくかつよう カ行変格活用
かぎょうへんかくかつよう カ行変格活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.13
カ行変革活用の動詞は一つだけ。「来」。これは覚えやすいですよね。こず(未然) きて(連用) くる(終止) くること(連体) くれども(已然) こよ(命令) つまり、こ き く くる...
かこ 過去
かこ 過去【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.7.30
俳句は「今ここ」をうたう文学。過去を読むのは難しいとされています。しかし、過去をテーマにして作品がないわけではありません。たとえば次の一句。 大仏も観音も老ゆ虚子忌かな 坊城俊...
かぞく 家族
かぞく 家族【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.3
夫婦、親子、家族など人間関係を詠むのは実のところ、かなり難しいことだと思います。往々にして句に熱がこもりすぎる。ちょっと暑苦しくかったり、甘過ぎたりしがちなのです。名句はそこをさら...
かっこう 郭公
かっこう 郭公【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.1
郭公の一オクターブ上が空 蜂谷一人 厚かましくも私の句です。ある時、こんな短歌を見つけました。「どこまでが空かと思い 結局は 地上スレスレまで空である 奥村晃作」子どもの頃、同...
かなづかい 仮名遣い
かなづかい 仮名遣い【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.15
おしくらまんじゅう手の甲にパスワード 北山順 おしくらまんじゅうは、お互いに押し合い体を暖かくする冬の遊び。「おしくらまんじゅう、押されて泣くな」と囃しあいます。載っていない歳時...
かみいちだんかつよう 上一段活用
かみいちだんかつよう 上一段活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.16
贔屓に見入る(ひいきにみゐる)。何のことかわかりますか?中岡毅雄さんが「NHK俳句 俳句文法心得帳」で紹介している上一段活用の動詞の覚え方です。 ひ 干る い 射る 鋳る き 着る...
かみにだんかつよう 上二段活用
かみにだんかつよう 上二段活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.18
例えば「落ちる」という動詞を辞書で引いてみましょう。広辞苑では お・ちる(落ちる・墜ちる・堕ちる)(自上一)とあります。最初のお・ちるは読み方。次は漢字。自上一は自動詞上一段活用を...
カメラ位置 カメラいち
カメラ位置 カメラいち【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.5
俳句を短い動画と捉えれば、俳句を詠むあなたはカメラマン兼監督。高山の上であろうが、深海のそこであろうが自由自在。思いのままの場所にカメラを置くことができ、しかも誰かの許可も、高価な...
カメラワーク
カメラワーク【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.6
カメラワークと言えば、ワンカットの中で焦点を変えてゆく技法があります。ピン送り、フォーカス送りとも言われるテクニックです。それが俳句でも応用できるといったら、驚かれるでしょうか。次...
からだのぶぶん 体の部分
からだのぶぶん 体の部分【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.12.4
稲刈つて顎を最後に立ち上がる 西山ゆりこ 体の部分を詠み込むことで、肉体感覚を一句にもたらすことが出来ます。掲句では顎。 この句は稲刈りの後の動作を精密に写生しています。まず、腰...
カレー
カレー【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.8
南風吹くカレーライスに海と陸 櫂未知子 この句については作者から直接、誕生の秘密を伺いました。自宅のマンションのベランダで、旦那様とランチをとっていた時のこと。たまたまカレーの話...
かわりゆくきご 変わりゆく季語
かわりゆくきご 変わりゆく季語【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.28
続々と生まれる季語。角川歳時記、最新版にはブーツなどの新しい季語が収録されています。また言葉としては昔からあったけれども、意味するものが変わってしまっている場合もあります。掲句の鮓...
かんじょうご 感情語
かんじょうご 感情語【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.20
俳句では「うれしい」「悲しい」などの感情を表すことばを使わない方がよいとされています。片山由美子さんによれば、俳句は短いので感情語を用いると、結論ありきになってしまう。「悲しい」と...
キ
きがさなり 季重なり
きがさなり 季重なり【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.22
一句に季語が二つ以上はいる季重なり。通常は避けるべきものとされています。季語は句の中心をなす言葉。季語が多いと中心がぼやけてしまいます。ところが何にでも例外があるもの。季重なりが許...
きくのきせわた 菊の被綿
きくのきせわた 菊の被綿【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.19
奥座敷菊の被綿なるを手に 岸本葉子 エッセイストで小説家。才能豊かな作者の第一句集「つちふる」よりの一句。つちふるとは、大陸から飛んでくる黄砂をさす言葉。霾という難しい漢字も存...
きごじゆうしゅぎ 季語自由主義
きごじゆうしゅぎ 季語自由主義【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.23
本意という言葉をきいたことがありますか。ひとことで言えば、季語にまつわる俳句的情緒のこと。炬燵(冬)であれば、体や心を温めるもの。ほっこりするもの。ところが、それに捉われすぎると昭...
きじつ 忌日
きじつ 忌日【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.25
忌日を俳句に詠むのは難しいとされます。誰かの命日と季節には関連性がありません。ですから俳句に忌日を読み込んでも、季節感がないと言うことになります。ですから仕方なく忌日を詠むときは、...
きせいし 帰省子
きせいし 帰省子【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.18
帰省子の一夜は灯し通しなり 今瀬剛一 故郷を離れている学生や会社員が長期の休みを利用して、郷里に帰るのが帰省。「俳句では夏休みの帰省をさすことから夏の季語とするが、実際に帰省がピ...
きぬかつぎ 衣被
きぬかつぎ 衣被【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.26
あら君は左ぎっちょね衣被 池田澄子 衣被は、小ぶりの里芋を皮のまま茹でる料理。包丁で切れ目を入れてあり、指先でつまむとつるりと皮がむけます。これは、指でつまんだ瞬間を切り取った...
ぎょうじ 行事
ぎょうじ 行事【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.20
ひざまづき挿してもらひぬ赤い羽根 金子敦 行事を俳句に詠むのは難しいとされます。期間が長い上に、構成要素が多様だからです。例えば「赤い羽根」毎年十月一日から一ヶ月間行われる共同...
きり「霧(秋)天文」
きり「霧(秋)天文」【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.27
私のやうな人ゐる霧の道 野口る理 同じ現象でも季節によって呼び名が変わります。春は霞。秋は霧。ちなみに霞は日中の現象ですが、夜は朧と言います。霧の中を歩くとき、普段とは違う感覚が...
きりぎりす 螽斯
きりぎりす 螽斯【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.22
少し前まで、ホームレスは俳句の題材とはみなされませんでした。見えているのに、見えていないふりをされるもの。雅な俳句の世界とは無縁であると考えられてきたのです。でも今は違います。 地...
ク
ぐうい 寓意
ぐうい 寓意【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.27
ヨハネス・フェルメール作「信仰の寓意」という絵画があります。世俗画で知られるフェルメールですが、これは唯一の宗教画として知られる作品。中央に白と青の輝くサテンのドレスを纏う女性。右...
くまたがり 句またがり
くまたがり 句またがり【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.4.30
明けぼのや白魚しろきこと一寸 芭蕉 句またがりとは、意味の切れとリズムの切れがずれている句のこと。まず掲句を読んでみてください。明けぼのや 白魚しろき こと一寸 となったのではな...
くものみね 雲の峰
くものみね 雲の峰【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.2
シャルドネのしづかに育つ雲の峰 小島健 私は、最近俳句を絵画や動画の用語を用いて批評できることに気付きました。掲句で言えばこんな感じです。 シャルドネは葡萄の品種。フランスのブル...
くろあげは 黒揚羽
くろあげは 黒揚羽【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.1
ポーの村よりやつて来る黒揚羽 金子敦 暗喩や引用にみちた作品の迷路に迷い込むのも俳句の楽しみの一つです。とりわけ、自分の大好きな作品がテーマになっていると聞けばなおさら。 186...
くわのみ 桑の実
くわのみ 桑の実【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.8.29
仏壇の奥に桑の実つみにゆく 鳥居真里子 植物の季語は取り合わせが難しいと言われます。何にでもあってしまう、言い換えれば季語が動くことが多い。しかしもちろん例外もあって掲句の季語...
ケ
けいようしのかつよう 形容詞の活用
けいようしのかつよう 形容詞の活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.3
赤い、楽しい、のような言葉を形容詞と言います。文語で言えば「赤し「楽し」となります。 では問題です。「楽し」に切字の「けり」をつけてください。 答え 楽しけり ブー!間違い。正しく...
コ
こうすい 香水
こうすい 香水【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.7
エゴイストてふ香水の尾の過ぎて 益岡茱萸 初学の頃、俳句に商品名を入れてはいけないと教わりました。句が軽くなるというのです。でも掲句の場合。ここはエゴイストが絶妙な効果を上げてい...
こうすいびん 香水瓶
こうすいびん 香水瓶【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.9
香水瓶の菊は雪岱菊の頃 佐藤文香 香水は夏の季語。では香水瓶は季語なのか。菊の頃とありますから、主季語は菊?いろいろな疑問が湧いてきますが、後ほど作者の見解を伺うことにして、まず人...
こそ・かかりじょし こそ・係り助詞
こそ・かかりじょし こそ・係り助詞【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.4
木曽川の今こそ光れ渡り鳥 高浜虚子 有名な句ですが、私は長い間「木曽川よ今こそ光ってくれ、渡ってゆく鳥たちに」という意味だと思っていました。実際は「木曽川が今光っているよ、渡って...
このへん
このへん【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.18
このへんの会社の人が泥鰌鍋 岸本尚毅 俳句の描写は精密な方がいい。私は長い間そう思ってきました。しかし、わざとゆったり作られた達人たちの名句に触れ、そんな高等技術を使いこなしてみ...
こぶし 拳
こぶし 拳【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.19
吊革のしづかな拳梅雨に入る 村上鞆彦 体の部分を詠み込むことで、句に肉体感覚が備わります。例えば海につかる足指なら爽快さ、時によっては不安。抜歯の後の歯茎なら痛みという具合。他人...
ごり 鮴
ごり 鮴【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.10
鮴の佃煮鮴のこちらは卵とぢ 正木ゆう子 鮴は高知県で親しまれている淡水性のハゼ科の魚の総称。中でも清流四万十川のものが珍重されます。他県の者には珍しい料理が並ぶ掲句。書かれてい...
ころもがえ 更衣
ころもがえ 更衣【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.14
小面をはづしかの世のころもがへ 小川楓子 アンソロジー句集からの一句です。季語はころもがえ。俳句の世界では更衣と書きます。歳時記には「季節の推移にあわせて衣服を替えること。俳句で...
サ行
サ
さいじき 歳時記
さいじき 歳時記【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.6
俳句に欠かせないもののひとつが歳時記。多くの方が季語の意味を確認したり、例句を参照したりしているのではないでしょうか。読み通す人は案外少ないはず。ところがタレントの武井壮さんは、初...
サイダー
サイダー【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.16
生きてゐるサイダー死んでゐるサイダー 小池康生 先頃惜しまれつつ亡くなられた作者の作品です。若い方への俳句の指導に尽力され、俳句甲子園にも大きな足跡を残されました。現代的な感性を持...
さぎょうへんかくかつよう サ行変格活用
さぎょうへんかくかつよう サ行変格活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.7
「する」と言う意味の「す」。「いる」の尊敬語である「おはす」。この二つしかないので是非覚えてください。「す」であれば せず、して、す、すること、すれば、せよ と変化します。「おはす...
さくらんぼ 桜桃
さくらんぼ 桜桃【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.20
さくらんぼ抜歯の痕に舌置いて 今井聖 ないものを詠むのは難しい。無くなった途端に、忘れてしまうから。駅前に空き地が出来たとします 。あれ、前は何だったっけ。意外に思い出すのが難し...
さみだれ 五月雨
さみだれ 五月雨【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.10
平泉に入った芭蕉一行は中尊寺を訪ねます。義経を保護した藤原秀衡の館があった場所で 清衡、基衡、秀衡、藤原三代の像が飾られた経堂と、三代の棺を安置した光堂があります。この堂を開帳して...
さるすべり 百日紅
さるすべり 百日紅【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.25
我のなき一と日が見たし百日紅 小島一慶 作者はTBSのアナウンサーとして、後にフリーのアナウンサーとして視聴者に長く愛された方。忙しい中俳句に親しみ、俳句結社「玉藻」に所属。私も...
サンドレス
サンドレス【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.22
水かぶるやうにサンドレスをかぶる 西山ゆりこ 季語には本意があります。例えば「夏草」であれば人の世の無常。芭蕉の「夏草や兵(つはもの)共がゆめの跡」にちなんだものです。名句が生ま...
シ
じあまり 字あまり
じあまり 字あまり【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.9
2021年度のNHK俳句の選者をつとめていただいている片山由美子さん。俳句のルールに厳しい方ですが、番組では「見直し 俳句の常識」を掲げています。俳句のルールは重要。ルールがあるか...
じかん 時間
じかん 時間【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.11
俳句は一瞬を切り取る言葉の写真と言われます。写真に抽象的な概念は写りません。そこで俳人は、概念を映像化しようと試みます。例えば時間。普遍的なテーマですが映像化するのは難しい。時計を...
してん 視点
してん 視点【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.13
一句の中に視点は一つにすべきと言われます。私の視点で語り出し、途中で虫の視点に変わるとしましょう。読者が混乱するのは明らか。意味の取りづらいわかりにくい俳句になってしまいます。え、...
じょどうし・り 助動詞・り
じょどうし・り 助動詞・り【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.16
NHK俳句で俳優の田中要次さんが、こんな句を詠んだことがあります。 うすらひの消えゆく様を見届けり 要次 いかがでしょう。春のいち日。氷の溶けてゆくさまを見つめる心のゆとりを感じ...
しんじゅこう 新樹光
しんじゅこう 新樹光【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.27
おそらく殆ど俳句で詠まれたことのない題材。ドラマの撮影風景です。 エキストラのぎこちなき歩や新樹光 金子敦 新樹光は若葉の瑞々しい光。初夏の若葉の中で通行人の撮影中のようです。で...
せいしゅん 青春
せいしゅん 青春【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.8
三人の一人は無言ソーダ水 西村和子 季語には、年代を表すものがあります。掲句はさしずめその典型。青春性を強く帯びた季語が用いられています。 最近あまり見かけなくなったソーダ水。...
せいしゅんえい 青春詠
せいしゅんえい 青春詠【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.21
夏潮へ碇のごとくこころ投ぐ 堀本裕樹 この作者の句には、あの遠い日々の思い出が詰まっているように感じられます。ぎらぎら光る浜辺にある蜃気楼のようなひととき。時に青春とも呼ばれる特...
タ行
タ
たまねぎ 玉葱
たまねぎ 玉葱【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.13
月の客吊り玉葱をくぐり来し 小川春休 玉ねぎの収穫時期は5月から6月。茎を長く残した玉ねぎを十個から十二個ずつ束ね、風通しの良いところで一〜二ヶ月乾燥させます。これが吊り玉葱。糖...
たまむし 玉虫
たまむし 玉虫【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.17
玉虫のごと褒めらるる死後ありや 小島健 タマムシ科の甲虫。紅紫色の太い二本の筋が縦に走り、全体に金緑色の金属的な光沢を放っています。この玉虫の翅を装飾に用いたのが法隆寺に伝わる...
たべもの 食べ物
たべもの 食べ物【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.10
俳句で食べ物を詠むときは、美味しそうに詠む。これが鉄則です。それにはどうしたらいいか?次の句を参考にして、考えてみましょう。 扇風機うどんを滑る生卵 小野あらた 本当に美味しそう...
チ
ちくふじん 竹夫人
ちくふじん 竹夫人【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.24
どことなくささくれてをり竹夫人 片山由美子 竹夫人とは竹でできた抱き枕のこと。抱きかかえて寝たり、もたれたりして涼をとり、くつろぎます。俳人には人気の季語ですが、一般の知名度は...
ツ
つばめ 燕
つばめ 燕【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.18
番組で燕の句を募集したところ、可愛らしい「燕の子」を詠んだ作品が数多く寄せられました。残念ながらすべて落選。どこが悪いのかわかりますか? そう、燕は春の季語。南から渡ってくる燕で「...
ト
どうが 動画
どうが 動画【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.20
俳句は、言葉の写真と言われてきました。一瞬を切り取るからです。しかし、最近時間の流れを詠んだ句が目を惹くようになりました。いわば言葉の動画です。おそらくインスタグラムやTIKTOK...
とりあわせ 取り合わせ
とりあわせ 取り合わせ【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.21
季語と、季語に直接関係のないものを組み合わせた俳句を「取り合わせ」と呼びます。直接関係のない、と言っても全く関連性がなければ「季語が動く」と非難され、関係が強すぎれば「つきすぎ」と...
ナ行
ナ
なぞ 謎
なぞ 謎【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.23
多くの場合、俳句に謎は必要ありません。具体的に述べるのが俳句。一読して意味がわからない句は、なかなか評価されません。とはいえ、謎に満ちた名句が存在することも事実。次の作品を見てくだ...
ナぎょうへんかくかつよう ナ行変格活用
ナぎょうへんかくかつよう ナ行変格活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.26
中岡毅雄さんの「NHK俳句 俳句文法心得帳」は大変よくできた解説書です。俳句の文法について知りたければ、この本一冊読めば事足ります。とは言え、それでは情けないので私なりの解釈を加え...
ヌ
ぬ・じょどうし ぬ・助動詞
ぬ・じょどうし ぬ・助動詞【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.28
「ぬ」はまぎらわしい言葉です。完了の意味で使われる場合と、打消の意味で使われる場合があるからです。この二つをどう区別すればいいのか、初心者には頭の痛いところです。次の二句を御覧くだ...
ハ行
ハ
はいくこうしえん 俳句甲子園
はいくこうしえん 俳句甲子園【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.5.31
今や若手作家の登竜門となった感のある俳句甲子園。俳都・愛媛県松山市で毎年8月に開催される高校生を対象とした俳句コンクールです。松山は正岡子規、高濱虚子らの出身地。それを記念して19...
ヒ
びょうしゃ 描写
びょうしゃ 描写【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.1
俳句では「言いたいことを言ってはいけない」と言われます。俳句を始めた人がまず面食らうのがこれ。では、何をいえばいいの?と思いますよね。私もそうでした。でも実は何も主張する必要はない...
ヘ
へ・助詞
へ・助詞【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.3
へのパワーを知っていますか。櫂未知子さんの名言ですが、助詞「へ」には特別な力があるとのこと。例えばこちらの句です。 運動会午後へ白線引き直す 西村和子 よく知られた句ですが、「へ」...
ホ
ぼうだい 傍題
ぼうだい 傍題【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.10.4
例えば、桜を歳時記で調べるとたくさんの傍題が載っています。時間に関するものを拾い上げると、朝桜、夕桜、夜桜。同じ花が、時間を違えるだけで別の季語になってしまう不思議。それぞれの情緒...
マ行
ミ
みすごされるもの 見過ごされるもの
みすごされるもの 見過ごされるもの【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.6
俳句で処世訓、風流、家族愛、などを詠むと往々にして浮いてしまいます。俳句という小さな器には大きすぎるのです。初心のころ、そうした句を詠んでは得意になっていた私。今読み返すと恥ずかし...
ム
むいみ 無意味
むいみ 無意味【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.9
岸本尚毅さんは無意味な句の例として次の句をあげています。 鴨渡る明らかにまた明らかに 高野素十 「鴨渡る」は秋の季語。秋に北から渡ってくる様が季語になっています。素十の句は、季語...
むぎのあき 麦の秋
むぎのあき 麦の秋【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.9.30
火が紙にくひ込んでゐる麦の秋 鴇田智哉 麦の秋は、麦が黄金色に熟して取りいれ時になる初夏のこと。掲句は、紙が燃え上がる瞬間。しかしなぜ麦の秋なのでしょうか。燃え尽きてやがて灰に...
モ
ものづくし 物尽くし
ものづくし 物尽くし【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.13
もの尽くしとは、歌謡の形式の一つ。清少納言の枕草子に登場することで知られます。 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこしあかりて… 夏は夜。月の頃はさらなり、やみもなほ、ほ...
ヤ行
ヤ
やなぎ 柳
やなぎ 柳【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.11.4
田一枚植ゑて立ち去る柳かな 松尾芭蕉 「奥の細道」に登場する一句。季語は田植えですが、柳が別れに彩を添えています。しかし、柳でなくても他の木でもかまわないのでは。そう思ったあな...
ラ行
ラ
らぎょうへんかくかつよう ラ行変格活用
らぎょうへんかくかつよう ラ行変格活用【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.16
これには4つの動詞が含まれています。「あり」「をり」「侍り(はべり)」「いまそがり」。侍りはお仕えする、いまそがりはいらっしゃる、という意味。古文には登場しますが、俳句ではまず使わ...
リ
り 助動詞
り 助動詞【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.17
記念日の朝囀を聞き分けり 先日、俳句仲間が詠んだ一句。文法的に誤りだとして櫂未知子さんに厳しくダメ出しされてしまいました。完了の助動詞「り」は四段活用かサ行変格活用の動詞にしかつき...
りっか 立夏
りっか 立夏【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
2022.6.20
二十四節気の一つ立夏。夏の始まりを示す言葉で、大体こどもの日の頃にやってきます。「りつか」と三音なので、かなをつけて下五に置かれることが多い季語です。「夏に入る」「夏来る(きたる)...
冬の季語「冬浅し(ふゆあさし)」を使った俳句一覧
アニミズム【ワンランク上の俳句百科 新ハイクロペディア/蜂谷一人】
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俳句キーワード:サ行
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