俳句の作り方 - 俳句入門 「お~いお茶新俳句」入選を目指して 俳句大学
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キゴサーチ(夏)
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(夏)
キゴサーチ(夏)
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(夏)
2021.02.08
2021.08.04
B!
目次
ア行
ア
あおしば「青芝(夏)植物」
あおしば「青芝(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.4
青芝に美脚投げ出しラクロス部 西村和子「わが桜(2020角川書店」 ラクロスとはホッケーに似た球技の一種。10名編成の2チームがラクロスと呼ばれるスティックでゴム製のボールを打...
あかつかふじおき「赤塚不二夫忌(夏)行事」
あかつかふじおき「赤塚不二夫忌(夏)行事」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.6
赤塚不二夫忌おほぜいのゐる木の向かう 堀下翔「「天の川銀河発電所(2017)左右社」 「天の川銀河発電所」は1968年以降生まれの作家たちの作品を集めたアンソロジー句集。俳人の佐藤...
あげはなび「揚花火(夏)生活」
あげはなび「揚花火(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.7
揚花火明日に明日ある如く 阪西敦子「天の川銀河発電所(2017)左右社」 アンソロジー句集からの一句です。季語は揚花火。歳時記には「初期俳諧では花火は盆行事の一環と考えられ、秋の...
あじさい「紫陽花(夏)植物」
あじさい「紫陽花(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.5
紫陽花のいま孵化したてなる青さ 遠藤由樹子「寝息と梟(2021)朔出版」 この句集は2021年5月1日発行。出たばかりの句集を送っていただきました。紫陽花の青は、はつなつの瑞々し...
あり「蟻(夏)動物」
あり「蟻(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.8
蟻強しこゑもことばも持たぬゆゑ 高柳克弘「寒林(2016)ふらんす堂」 夏の一日、蟻の列を観察したことはないでしょうか。黙々と移動し続け、倦む事を知らない働きぶりに畏敬の念さえ抱...
ウ
うちみず「打水(夏)生活」
うちみず「打水(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.9
水打つて旧町名を思ひ出す 櫂未知子「カムイ(2017)ふらんす堂」 季語は打水。夏の昼下がりや夕方、暑さや埃を抑えるため、水を撒くことです。大抵は涼しさを表現する時に使いますが...
うつせみ「空蝉(夏)動物」
うつせみ「空蝉(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.10
あらたなる風てのひらの空蝉に 日下野由季「馥郁(2018)ふらんす堂」 空蝉は蝉の抜け殻。山を歩くとよく、抜け殻が木の幹をつかんでいたり、道に転がっていたりします。骸のように...
うなみ「卯波(夏)地理」
うなみ「卯波(夏)地理」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.11
返す波引き込みながら卯波かな 岩田由美「雲なつかし(2017)ふらんす堂」 卯波は旧歴四月にたつ波のこと。天候が不安定で白波がたちやすい時期です。波の白さを卯の花の白さに例えた...
うみのいえ「海の家(夏)生活」
うみのいえ「海の家(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.12
絵も文字も下手な看板海の家 小野あらた「毫(2017)ふらんす堂」 作者の恩師である佐藤郁良さんが句集の序を書いていらっしゃいます。「その当時のあらた君は、決してはきはきしている...
えんてん「炎天(夏)天文」
えんてん「炎天(夏)天文」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.14
真炎天原子炉に火も苦しむか 正木ゆう子「羽羽(2016)春秋社」 東日本大震災をテーマにした句でしょう。あの日までは、春の海があんなに恐ろしいものだとは知りませんでした。津波は...
オ
おこしえ「起し絵(夏)生活」
おこしえ「起し絵(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.15
起し絵の中に浴びたき波すこし 櫂未知子「カムイ(2017)ふらんす堂」 起し絵とは、錦絵を切ってジオラマ風に組み立てたもの。芝居の一場面や風景、名所などの図柄が用いられます。立版...
カ行
カ
が「蛾(夏)動物」
が「蛾(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.16
とまる蛾にさかさまに来る人の貌 鴇田智哉「エレメンツ(2020)素粒社」 俳句を動画と捉えたとき、どんなカメラワークや編集技法が見られるでしょうか。この興味深いテーマについて作者...
かきごおり「かき氷(夏)生活」
かきごおり「かき氷(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.17
テーブルに七味散りをりかき氷 小野あらた「毫(2017)ふらんす堂」 かき氷の句としてはかなり異色。かき氷と七味の取り合わせなど見たこともありません。それなのに「あるある」感が...
かじか「河鹿(夏)動物」
かじか「河鹿(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.2.8
夕河鹿セブンイレブンまで三里 石田郷子「草の王(2015)ふらんす堂」 河鹿は山間のきれいな谷川に棲息しているアオガエル科の蛙。ヒョロヒョロ、フィフィフィ・・・美しく豊かな声で...
かっこう「郭公(夏)動物」
かっこう「郭公(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.8
郭公の一オクターブ上が空 蜂谷一人「青でなくブルー(2016)」 ある時、こんな短歌を見つけました。「どこまでが空かと思い 結局は 地上スレスレまで空である 奥村晃作」なるほど...
かなぶん「(夏)動物」
かなぶん「(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.19
かなぶんのまこと愛車にしたき色 中西夕紀「くれなゐ(2020)本阿弥書店」 かなぶんは金亀子(こがねむし)のこと。こつんとぶつかる重さや硬さは詠まれても、意外に色は詠まれていなかっ...
かみなり「雷(夏)天文」
かみなり「雷(夏)天文」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.21
追悼のラヂオ番組遠き雷 小島一慶「入り口のやうに出口のやうに(2019)ふらんす堂」 永六輔さん逝く、という前書きのある句。遠雷とラヂオの取り合わせが絶妙です。追悼の番組の最...
かやりび「蚊遣火(夏)生活」
かやりび「蚊遣火(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.22
蚊遣火の赤き一点とは恋か 蜂谷一人「青でなくブルー(2016)」 蚊遣火とは蚊取り線香のこと。火をつけると、小さな炎が螺旋の中心へゆっくり動いて行きます。埋み火のような色が、消...
キ
きゅうりのはな「胡瓜の花(夏)植物」
きゅうりのはな「胡瓜の花(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.23
血族の村しづかなり花胡瓜 篠崎央子「火の貌(2020)ふらんす堂」 夏に花を咲かせる胡瓜。調べてみると雄花と雌花がありどちらも黄色。普通の野菜なら雄花の花粉が雌花に受粉して実を結...
きりのはな「桐の花(夏)植物」
きりのはな「桐の花(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.24
二十年(はたとせ)をはしよるはなしや桐の花 恩田侑布子「夢洗ひ(2016)角川書店」 桐は五月上旬、筒状の淡い紫色の花をつけます。この時期、山を旅すると新緑の間に夢見るような、思...
きんぎょすくい「金魚すくひ(夏)生活」
きんぎょすくい「金魚すくひ(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.26
金魚すくひのプールに金魚足しにけり 池田瑠那「金輪際(2018)ふらんす堂」 歳時記には金魚すくいではなく「箱釣(はこづり)」として載っていることが多いようです。箱釣は夜店で浅い...
ク
くものみね「雲の峰(夏)天文」
くものみね「雲の峰(夏)天文」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.28
シャルドネのしづかに育つ雲の峰 小島健「山河健在(2020)」 シャルドネは葡萄の品種。フランスのブルゴーニュやアルザス地方で栽培され白ワインの原料になります。地上では葡萄が静か...
くろあげは「黒揚羽(夏)動物」
くろあげは「黒揚羽(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.29
ポーの村よりやつて来る黒揚羽 金子敦「シーグラス(2021)ふらんす堂」 1865年、グレンスミス・ロングバート男爵は狩の最中にある村に迷い込み、鹿と間違えて少女を撃ってしまいま...
くわのみ「桑の実(夏)植物」
くわのみ「桑の実(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.30
仏壇の奥に桑の実つみにゆく 鳥居真里子「月の茗荷(2008)角川書店」 「桑の実は初め赤色で、やがて七〜八月に紫黒に変じて熟す。多汁で甘い」と歳時記に。昔、きょうだいや友達と摘...
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こうすい「香水(夏)生活」
こうすい「香水(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.5.31
エゴイストてふ香水の尾の過ぎて 益岡茱萸「汽水(2015)ふらんす堂」 香水をつけた人と、街ですれ違う。気になって過ぎたあとを振り返る、そんな光景を想像しました。残り香を香水の尾...
こおりばた「氷旗(夏)生活」
こおりばた「氷旗(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.2
流されて靴うしなへる氷旗 生駒大祐「水界園丁(2019)港の人」 氷旗とは、かき氷屋の店先に掲げる幟。白地に青い波と鳥、赤い氷の文字を描いたものがよく知られます。 友達と川に行っ...
ごり「鮴(夏)動物」
ごり「鮴(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.4
鮴の佃煮鮴のこちらは卵とぢ 正木ゆう子「羽羽(2016.9.23)」より 鮴は高知県で親しまれている淡水性のハゼ科の魚の総称。中でも清流四万十川のものが珍重されます。他県の者に...
ころもがえ「更衣(夏)生活」
ころもがえ「更衣(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.5
小面をはづしかの世のころもがへ 小川楓子「超新撰21(2010)邑書林」 アンソロジー句集からの一句です。季語はころもがえ。俳句の世界では更衣と書きます。歳時記には「季節の推移に...
サ行
サ
サイダー「(夏)生活」
サイダー「(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.6
生きてゐるサイダー死んでゐるサイダー 小池康生「奎星(2020)飯塚書店」 サイダーに生死があるなんて思いもしませんでした。でも言われてみると容易に想像できます。元気よく泡立ってい...
さくらんぼ「桜桃(夏)植物」
さくらんぼ「桜桃(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.7
さくらんぼ抜歯の痕に舌置いて 今井聖「九月の明るい坂(2020.9.1)」より この句を見てはじめて気づきました。抜歯の穴にさくらんぼが丁度はまりそう。何故かはわかりませんが、歯...
さくらんぼ
さくらんぼ「(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.9
人伝てに届く訃報やさくらんぼ 遠藤由樹子「寝息と梟(2021)朔出版」 季語はさくらんぼ。「西洋実桜の実をさすのが一般的。直径1.2〜1.5センチの球形で、色は淡紅、赤黄、深紅。...
さるすべり「百日紅(夏)植物」
さるすべり「百日紅(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.11
我のなき一と日が見たし百日紅 小島一慶「入り口のやうに出口のやうに(2019)ふらんす堂」 病の告知の後に詠まれた一句。後書きにはこう記されています。 それは本人にとって狐につま...
サンドレス「(夏)生活」
サンドレス「(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.12
水かぶるやうにサンドレスをかぶる 西山ゆりこ「ゴールデンウイーク(2017)朔出版」 サンドレスは着るのではなく、かぶるものと知りました。私には身につける機会がなく、もっぱら見る...
シ
しろひがさ「白日傘(夏)生活」
しろひがさ「白日傘(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.13
恐竜行きバスに駆込む白日傘 佐怒賀正美「無二(2018)ふらんす堂」 恐竜展行きではなく、恐竜行き。ちょっとしたレトリックが楽しく、わくわくします。恐竜から連想するのは、大きな化...
しんじゅこう「新樹光(夏)植物」
しんじゅこう「新樹光(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.14
エキストラのぎこちなき歩や新樹光 金子敦「シーグラス(2021)ふらんす堂」 出版されたばかりの句集からの一句。新樹光は若葉の瑞々しい光。ドラマの撮影風景でしょうか。初夏の若葉の...
ス
すし「鮓(夏)生活」
すし「鮓(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.16
回転寿司注文タッチパネルの起動に間 池田瑠那「金輪際(2018)ふらんす堂」 回転寿司が季語と言えるのか悩むところです。歳時記に季語として載っているのは「鮓」。米と魚を自然発酵さ...
すずし「涼し(夏)時候」
すずし「涼し(夏)時候」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.19
旅人の木という影の涼しかり 対馬康子「天之(2007)富士見書房」 旅人の木とは何でしょうか。響きに惹かれたものの、何かわかりません。調べてみると「マダガスカル原産のバナナに似た...
セ
せんぷうき「扇風機(夏)生活」
せんぷうき「扇風機(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.19
扇風機うどんを滑る生卵 小野あらた「毫(2017)ふらんす堂」 うどん屋さんの厨房でしょうか。大釜でぐらぐらと湯を滾っています。暑いところに火を扱っているのですから、汗が滴ります...
タ行
タ
たまねぎ「玉葱(夏)植物」
たまねぎ「玉葱(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.20
月の客吊り玉葱をくぐり来し 小川春休「天の川銀河発電所(2017)左右社」 玉ねぎの収穫時期は5月から6月。茎を長く残した玉ねぎを十個から十二個ずつ束ね、風通しの良いところで一〜...
たまむし「玉虫(夏)動物」
たまむし「玉虫(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.21
玉虫のごと褒めらるる死後ありや 小島健「山河健在(2020)角川書店」 タマムシ科の甲虫。紅紫色の太い二本の筋が縦に走り、全体に金緑色の金属的な光沢を放っています。この玉虫の翅...
ト
とういす「籐椅子(夏)生活」
とういす「籐椅子(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.24
籐椅子に深く座れば見ゆるもの 星野高士「残響(2014)深夜叢書社」 籐椅子は籐製の夏用の椅子。最近は珍しくなりましたが、昔は避暑地のホテルや別荘でよく見かけました。クラシックな...
どじょうなべ「泥鰌鍋(夏)生活」
どじょうなべ「泥鰌鍋(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.25
このへんの会社の人が泥鰌鍋 岸本尚毅「小(2014)角川学芸出版」 大抵の鍋は冬の季語ですが、泥鰌鍋は夏。かつては、身近で精のつく食べ物の代表だったそうです。何種類かあり「まる」...
ナ行
ナ
なつじお「夏潮(夏)地理」
なつじお「夏潮(夏)地理」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.26
夏潮へ碇のごとくこころ投ぐ 堀本裕樹「熊野曼荼羅(2012)文學の森」 碇は石のおもり。綱をつけて水底に沈め、舟を係留します。今、力強い夏の潮が舟を押し流そうとしています。その海...
なつたつ「夏立つ(夏)時候」
なつたつ「夏立つ(夏)時候」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.27
夏立つや杉戸余さず白象図 井上弘美「夜須礼(2021)角川書店」 白象図は、京都養源院のもののことだと思いました。作者は俵屋宗達。二枚一組で、身を低くし敵に襲いかからんとする象と...
夏はじめ(夏)
「夏はじめ(夏)」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.28
水族館へ水運ぶ船夏はじめ 石井清吾「水運ぶ船(2020.12.10)」より 作者はあとがきにこう記しています。「ある日、港で見かけた水色の船が、和歌山県沖から大阪の「海遊館」に海...
ネ
ねむのはな「合歓の花(夏)植物」
ねむのはな「合歓の花(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.6.30
オクターヴにひらきし十指合歓の花 浦川聡子「眠れる木(2012)深夜叢書社」 合歓(ねむ)の木はその名の通り、眠る木。暗くなると葉を閉じる就眠運動で知られます。朝になれば目覚めて...
ノ
のうぜん「凌霄(夏)植物」
のうぜん「凌霄(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.2
のうぜんに火薬を詰めておきました 夏井いつき「梟(2020復刊)朝日出版社」 「ノウゼンカズラ科の蔓性落葉樹。七〜八月に橙色の漏斗状の花が咲く」と歳時記に。夏のひととき壁や塀を蔓...
のうりょう「納涼(夏)生活」
のうりょう「納涼(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.3
納涼古書市哲学十把一絡げ 西村和子「わが桜(2020.7.25)」より 納涼が季語ですが、ここでは「納涼古書市」と複合語になって登場します。神田神保町あたりで本当に催されていそ...
ハ行
ハ
はつなつ「初夏(夏)時候」
はつなつ「初夏(夏)時候」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.4
はつなつの木肌図鑑を傍に 藤井あかり「封緘(2015)文學の森」 木肌図鑑という言葉に惹かれました。植物図鑑には花や果実、葉は丹念に紹介されているものの、木肌はあまり注目されてい...
はちがつ「八月(夏)」
はちがつ「八月(夏)」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.5
八月はまことに真夏永久に真夏 宇多喜代子「森へ(2018)青磁社」 前書きにこうあります。「旧作に〈八月の赤子はいまも宙を蹴る〉」と。 宇多さんは太平洋戦争中、空襲で宙を蹴ったま...
ハンモック「(夏)生活」
ハンモック「(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.7
木を選ぶことから始めハンモック 佐藤郁良「しなてるや(2019)ふらんす堂」 ハンモックと言えば乗ろうとした途端、くるりと一回転して見事落下した経験しかない私。アウトドアでハンモ...
ヒ
ひざかり「日盛(夏)天文」
ひざかり「日盛(夏)天文」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.10
日盛や漂流物のなかに櫛 夏井いつき「伊月集 龍(2015復刊)朝日出版社」 季語は日盛。「夏の日中、日が最も強くて照りつける正午ごろから午後2、3時ごろまでを言う。物の影が真下に...
ひやししるこ「冷し汁粉(夏)」
ひやししるこ「冷し汁粉(夏)」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.11
虚子論も冷し汁粉を食べながら 坊城俊樹「壱(2020)朔出版」 作者は高濱虚子の曽孫にあたるひと。普通の人ならば食べながら虚子を論じたりしませんし、仮にしたとすれば少々不謹慎。...
ビヤホール(夏)
「ビヤホール(夏)」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.12
さまよへる湖に似てビヤホール 櫂未知子「カムイ(2017)ふらんす堂」 「さまよえる湖」はスウェーデンの探検家スヴェン・ヘディンの著書の題名。ヘディンは中央アジア、タリム盆地東...
ひるね「昼寝(夏)生活」
ひるね「昼寝(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.14
神護景雲元年写経生昼寝 小澤實「瞬間(2005)角川書店」 漢字ばかりが連なる難しそうな印象の句。じんごけいうんがんねんしゃきょうせいひるね、と読みます。初めはどこで切れるのかわ...
ひるね「昼寝(夏)生活」
ひるね「昼寝(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.16
祇王寺の柱を借りる昼寝かな 藤本美和子「冬泉(2020)角川書店」 昼寝は夏の季語。「酷暑の折は夜も暑さで熟睡できず睡眠不足になるので、疲れを取るために午睡するとよい」と歳時記に...
フ
ふうりん「風鈴(夏)生活」
ふうりん「風鈴(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.17
いつせいに鳴る風鈴のどれ買はむ 村上鞆彦「遅日の岸(2015)ふらんす堂」 色鮮やかな風鈴を並べて売っているのです。風が吹くと一斉に鳴り出します。あれ、それぞれの風鈴の音がわから...
ぶよ「蚋(夏)」
ぶよ「蚋(夏)」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.18
蚋ふたつ回れり軸の違ひつつ 鴇田智哉「エレメンツ(2020)素粒社」 ぶよと読みます。蚊に似ていて全長3~4ミリほどの昆虫のこと。刺されると腫れあがりその痒いことといったら!蚋と...
ふんすい「噴水(夏)
ふんすい「噴水(夏)」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.19
噴水の隅でピエロになるところ 今井聖「九月の明るい坂(2020)朔出版」 季語が動く、と言う言葉を聞いたことはありませんか。季語には本来の意味があります。噴水であれば、涼しさとい...
ホ
ほたる「螢(夏)動物」
ほたる「螢(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.21
生きものの水呑みに来る螢川 井上弘美「汀(2008)角川SSコミュニケーションズ」 「初夏の闇夜に、すいすいと光を放ちながら飛んでいる蛍は美しいばかりでなく、神秘的ですらある」と...
ほちゅうもう「捕虫網(夏)生活」
ほちゅうもう「捕虫網(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.23
捕虫網立てて水深測りけり 今井聖「九月の明るい坂(2020.9.1)朔出版」 「捕虫網は何をする道具ですか」と問われたらあなたは?「もちろん、虫を捕らえる道具です」と答えるでしょう...
マ行
マ
まつり「祭(夏)行事」
まつり「祭(夏)行事」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.24
練乳の糸引く指の祭かな 佐藤文香「天の川銀河発電所(2017)菊は雪(2021)左右社」 「天の川銀河発電所」は1968年以降生まれの作家たちの作品を集めたアンソロジー句集。佐藤...
ミ
みずでっぽう「水鉄砲(夏)生活」
みずでっぽう「水鉄砲(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.25
ポロシャツの鰐をめがけて水鉄砲 太田うさぎ「俳コレ(2011)邑書林」 アンソロジー句集からの一句。水鉄砲は夏の季語「水遊び」の傍題。ポロシャツの鰐とはラコステのことでしょうか。...
みどりさす「緑さす(夏)植物」
みどりさす「緑さす(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.26
硯北といふみどりさすひとところ 大石悦子「百囀」(2020)ふらんす堂」 硯北、読めますか。「けんぽく」だそうです。私は読めませんでした。手紙のあて名の脇に添え書きして敬意を表す...
ヤ行
ヤ
やりょう「夜涼(夏)時候」
やりょう「夜涼(夏)時候」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.28
夜涼なり星をつまんで花びらに 佐怒賀正美「無二(2018)ふらんす堂」 夜涼は、夏の暑さの中にあってこそ感じられる夜の涼気のこと。星をつまんで花びらに、とは何とも豪快。まるで神の...
ヨ
よみせ「夜店(夏)生活」
よみせ「夜店(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.7.30
宝石と呼んで夜店のゼリーかな 高田正子「青麗(2014)角川学芸出版」 縁日に欠かせない夜店。金魚すくいや風船釣り、スーパーボール。りんご飴、射的、焼きそばに綿飴。書いているだ...
ラ行
レ
れいぞうこ「冷蔵庫(夏)生活」
れいぞうこ「冷蔵庫(夏)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.8.1
冷蔵庫の音か夜明けの来る音か 星野高士「残響(2014)深夜叢書社」 作者は、冷蔵庫のそばで夜明けを迎えています。大抵の家では冷蔵庫は台所に置かれていて寝室とは離れています。とな...
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ろうおう「老鶯(夏)動物」
ろうおう「老鶯(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.8.2
老鶯の思ふが儘に吾動く 生駒大祐「水界園丁(2019)港の人」 夏鶯が鳴いています。別の場所に行くと、また鳴いている。また別の場所でも。実際は、それぞれの場所で別の鶯が鳴いている...
ワ行
ワ
わかたけ「若竹(夏)植物」
わかたけ「若竹(夏)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
2021.8.4
瞳孔を若竹の日の通りゆく 藤井あかり「封緘(2015)文學の森」 作者は塩谷亮という画家の作品の大ファンだと伺いました。彼はかたちの写生を通して心まで写してしまう写実画家。作者が...
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(新年)
2021.1.4
ア行 エ えすごろく「絵双六(新年)」 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/809 えほう「恵方(新年)」 https://jhaik...
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(春)
2021.2.2
ア行 ア アーモンドのはな「アーモンドの花(春)植物」 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/956 あたたか「暖か(春)時候」 htt...
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(夏)
2021.2.8
ア行 ア あおしば「青芝(夏)植物」 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/4544 あかつかふじおき「赤塚不二夫忌(夏)行事」 htt...
最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(冬)
2021.1.15
ア行 ア あおじゃしん「青写真(冬)生活」 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/8685 イ いちようき「一葉忌(冬)」 https:...
かじか「河鹿(夏)動物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】
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大伴大江丸の俳句
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