俳聖と呼ばれる松尾芭蕉。俳句の師匠だと思っていませんか。残念。芭蕉は俳諧の師匠。では俳諧とは何でしょうか。「俳諧の連歌」の略で、五七五に七七をつけ、それに五七五をつけてゆく遊び。「連句」とも呼ばれます。連歌と形式は似ていますが、より身近で滑稽な題材を詠むところに特徴があります。もともと連歌の会のあと、お酒が入って少々羽...
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夏の季語。初夏の闇夜に光を放ちながら飛ぶ蛍は美しいばかりでなく、神秘的でさえあります。 ゆるやかに着てひとと遭ふ蛍の夜 桂信子 蛍火や手首細しと掴まれし 正木ゆう子 恋の句として詠まれることが多い蛍。それには理由があります。 物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる 和泉式部 平安時代の歌...
父がつけしわが名立子や月を仰ぐ 立子の代表句。月を仰ぐ凛々しい女性の姿が目に浮かびます。一体、どんな場面で詠まれた句なのでしょうか。立子自身がこう記しています。「1935年9月20日 夜。貞さんが死んだ。実は今日 私の大切な貞さんが死んだという話を父に聞かされた。私が三歳の時から家に手伝いに来ていて、十年もの間 いつも...
1702年(元禄15年)一冊の書が刊行されました。松尾芭蕉の「奥の細道」。紀行文とともに俳句が記されており、その文学的価値は計り知れません。奥州の旅の一部を現代の言葉に直すとこんな風になります。 「藤原三代にわたる栄華も今となっては夢のようであり、平泉の表門の跡は一里程手前にある。秀衡の館跡は、今では田や野原に変わり果...
あなたが文語で俳句を作っていて「買ふて」のように「ふて」と表記していたら、文法的に間違っていると思って下さい。文語の動詞に「ふて」という表記はありません。正しくは「買うて」。「買ひて」が言いやすいように変化して「買うて」となっているのです。他にも 言ひて→言うて 沿ひて→沿うて 酔ひて→酔うて など沢山の「うて」があり...
運動のクールダウンのようなもの。句会が終わった余韻の中で誰からともなく袋回しをしよう、と声があがります。手順を説明しましょう。 まず、参加者全員に茶封筒などの袋を一枚ずつ配ります。合わせて、投句用の短冊を、配ります。参加者は、茶封筒の表に、俳句に詠み込む題を一つ書きます。題は季語でも他の言葉でもかまいません。全員が封筒...
くもの糸一すぢよぎる百合の前 高野素十 以前この句を取り上げたところ、ある映像関係の方から「望遠レンズを使った、蜘蛛の糸から百合へのフォーカス送りですね」という感想をいただきました。素敵な視点だと思ったのでもう少し詳しく書いてみます。 フォーカス送りとは「ピン送り」とも呼ばれる撮影上のテクニックです。望遠系のレンズ...
俳句を構成する品詞の特性について考えてみましょう。作家 開高健は文章は形容詞から腐ると言いました。ヘミングウェイの文章修行の心得と実によく似ています。俳句と散文は違いますが、この言葉には真実が含まれています。例えば女性を描写する際、形容詞だけを使って美しいとか可愛いとかいうのは一番伝わらない言い方。まるで中学生のラブレ...
昼寝を歳時記でひくと「生活」の項に出ています。歳時記の項目には七つあり「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」と並んでいます。項目に注目しない人が多いのですが、生活の項は要注意です。何故なら人間に関することにしか使えないからです。季語の昼寝は人間の行為のみ。猫の昼寝には使えませんのでご注意を。昼寝のほか...
俳句は安上がりな文芸です。紙と鉛筆さえあればOK。実質経費百円。これで生涯楽しめるのですからコストパフォーマンスは最高です。しかし、結社に入ったり句集を出したりすると話は別。結社の会費は毎月1000円から2000円程度。句会に出ると一回につき2000円から3000円かかります。句集は装幀にもよりますが、平均百万円以上。...
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