ふくろまわし・袋回し【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】




運動のクールダウンのようなもの。句会が終わった余韻の中で誰からともなく袋回しをしよう、と声があがります。手順を説明しましょう。

まず、参加者全員に茶封筒などの袋を一枚ずつ配ります。合わせて、投句用の短冊を、配ります。参加者は、茶封筒の表に、俳句に詠み込む題を一つ書きます。題は季語でも他の言葉でもかまいません。全員が封筒に題を書いたら袋を回します。隣から受け取った袋に書いてある題を使って俳句を作り短冊に書いて袋に入れます。入れ終わったら、再び袋を回します。この作業を初めに自分の所にあった封筒が戻ってくるまで繰り返します。投句が終わったら、袋の中の短冊を取り出し、清記用紙に俳句を書き写します。これ以降の作業は、通常の句会と同じです。

封筒を用いないやり方もあります。この場合はまず題を発表し、全員が短冊に自作の句を書きます。その短冊を隣へと回し、その句を気に入った人は短冊の裏に自分の名を書き込みます。何句選んでも構わないところが通常の句会とは異なっています。幹事は、短冊の句と裏の名を読み上げ、場合によっては選評もします。この袋なしのほうは時間を大幅に短縮できます。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html






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