内藤鳴雪の俳句




  • 凩の吹き荒るる中の午砲かな
  • 初冬の竹緑なり詩仙堂
  • 夏山の大木倒す谺かな
  • 我が声の吹き戻さるる野分かな
  • 朝立や馬のかしらの天の川
  • 横たはる五尺の榾やちょろちょろ火
  • 炭竈は雨にくづれて遅桜
  • 雀子や走りなれたる鬼瓦
  • 六日はや睦月は古りぬ雨と風
  • 焼山のぽち/\はぜる夜もすがら
  • 垣越に梅折る人や明屋敷
  • 壷焼の壺傾きて火の崩れ
  • 庭の木に山繭飼ひし葉のこぼれ
  • 砂浜や松折りくべて蒸鰈
  • 矢車に朝風強き幟かな
  • 蝦夷菊に日向ながらの雨涼し
  • もらひ来る茶碗の中の金魚かな
  • 麦寒の布子恋しや質の札
  • 普門品二十六夜の月の僧
  • 元日や一系の天子不二の山
  • 朝拝や春は曙一の人
  • 舞初や肩に輝くかづけもの
  • 初霞立つや温泉の湧く谷七つ
  • 初東風や富士に筋違う凧

内藤鳴雪 プロフィール

内藤鳴雪(ないとう めいせつ、1847年5月29日(弘化4年4月15日) - 1926年(大正15年)2月20日)






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