「けり」は文末に置く切字。もともと過去の助動詞「き」に「あり」がついた形なので「過去の詠嘆」つまり「〇〇だったなあ」という意味になります。動詞、形容詞などの用言につくのが特徴。上につくのは口語の「ます」と同じ連用形です。ついて来ていますか?大丈夫ですか? 「学びます」→「学びけり」 「泳ぎます」→「泳ぎけり」 こんな具...
俳句の作り方
俳句の作り方の記事一覧
主宰を中心にまとまった俳句のグループのこと。初学のころは悪の秘密結社を連想して身構えますが、入ってみると先輩は優しく、主宰は有能でたちまち魅力に惹きこまれます。会費を払うと定期的に結社誌が届き、そこに自分の句を発見して大喜びします。句会に出ると後の飲み会に誘われ、思う存分俳句談義を楽しめるうえに、ビールで喉を潤すことも...
俳人の岸本尚毅さんは、「吟行にカメラを持っていってはいけない」とおっしゃっています。写真を撮ろうとすると、そこで起こったことをフィルムに定着させることに全神経を注ぎます。しかし、俳人がすべきことはフィルムに定着させることではなく、ことばに定着させることです。いわば、自分自身がカメラになる必要があります。写真を撮っている...
俳句は五七五の十七音で出来ています。同じ十七音でもリズムの違うものがあります。次の句を見てください。 海暮れて鴨の声ほのかに白し 松尾芭蕉 うみくれて 五音 かものこえ 五音 ほのかにしろし 七音 五五七となっています。文節の切れ目と句の切れ目(五七五)が一致しないものを句またがりと呼びます。五五七のまま読んでもよ...
芥川龍之介が「江戸時代の影の落ちた下町の人々を直写」している点で、万太郎ほどの作者はまれであろうと指摘しています。小説や戯曲の世界で活躍した万太郎ですが、今日その作品を覚えている人は多くありません。その文名を高くしているのは、むしろ余技であった俳句の方なのです。下町の情感にあふれた、言い換えれば日本人の心の琴線に触れる...
まず、短冊を用意します。よくテレビに登場する俳人のイメージに、宗匠頭巾をかぶり、手には短冊と筆、というものがあります。はっきり言って、いまどきそんな格好をしている俳人はいません。それは芭蕉のコスプレ。現代の俳人とはかかわりのない姿と断言しておきます。脱線しましたが、芭蕉のコスプレが持っている和紙の短冊。あれは高価で日常...
俳句は自分探しに似ています。本当の自分を探しに旅に出ても、なかなか自分は見つかりません。どこかに本当の自分がいると考えるのは幻想。本当の自分とは、日々の生活や仕事を通じて周囲の人に評価され、作り上げられてゆくものです。人は他人との関係の中で成長します。俳句も同じ。よく「俳句がうまくなったら句会に出ます」という人がいます...
大勢で、あるいは気のあった仲間と外に出かけ俳句をつくること。これを吟行といいます。あなたの俳句力をあげるよい機会ですので、誘われたら是非参加してみてください。小さな旅の中で俳句を詠むわけですから、材料は沢山あります。花を見ても、鳥を見ても新鮮な気持ちで俳句が詠めるはずです。ところが風光明媚なところで、見たままを俳句に詠...
いい俳句には驚きがあると言われます。次の一句はいかがでしょう。 春星をことごとく得しその瞑さ 藤田湘子 春星をことごとく得たのですから明るい筈。それを作者は瞑いと言っています。これが逆接。予想と反対のことばが表れ、心地よく裏切られます。明るい筈なのに、何故瞑いのか、読者はその理由を考えます。 春は旅立ちの季節。春の...
蝶ふれしところよりわれくづるるか 高柳克弘 俳句ではなるべく断定したほうがよいと言われます。きっぱりと歯切れがよくなりますし、力強さが増します。掲句は髙柳克弘さんが俳句の疑問形の例として「NHK俳句テキスト」に掲載したもの。こんな風に虚の世界を詠む場合は、危うさや不安定さを表現するために疑問形を用いることがあります...
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