ことだま・言霊【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】




歌人の永田和宏さんはこんな短歌を作りました。

ゆきずりのカウンターにて飲むひとが倍賞千恵子であるわけがない

永田さんは京都大学入学当時からの倍賞さんのファン。当時 倍賞さんが主演した「舞妓はん」という映画の相手役 橋幸夫に嫉妬したといいます。歌を詠んで三ヵ月後、なんとその倍賞さんが番組の収録で永田さんの隣に座ることになりました。
古代の人々は言葉に宿る不思議な霊威を信じていました。このエピソードは現代に言霊が生きていることの証ではないでしょうか。ちなみにこの日は番組が始まって1000回目の収録。決して偶然とは思えない大女優のオーラをまざまざと感じた一日でした。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html






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