文語の動詞の活用形を示す俳句上達の呪文です。長たらしいですが、一種類だけですから頑張って覚えてしまいましょう。源氏物語であろうと、百人一首であろうと、奥の細道であろうと文語で書かれた作品はすべてこの文法に従っています。言いかえれば古典を読み解く鍵。同時に、文語で俳句を作るあなたの必須アイテムです。
未然は否定の「ず」がつくかたち 書かず
連用はけりがつくかたち 書きけり
終止は言い切りのかたち 書く
連体は「こと」がつくかたち 書くこと
已然は「ども」がつくかたち 書けども
命令は命令形 書けよ
「書」の後の言葉に注目してください。か、き、く、く、け、け、となっていますよね。「か」の段から「け」の段まで「かきくけこ」の四段に変化しているので、四段活用と呼びます。他にも」「遊ぶ」「探す」「読む」などの動詞がこれに当たります。では「落つ」ではどうでしょう。
落ちず 落ちけり 落つ 落つること 落つれば 落ちよ
「落」の後の言葉は ち、ち、つ、つる、つれ、ちよ、となっています。「ち」の段と「つ」の段、「たちつてと」の上側の二段に変化しているので、上二段活用と呼びます。他にも「生く」「恋ふ」「老ゆ」などの動詞がこれにあたります。では「受く」ではどうでしょう。
受けず 受けけり 受く 受くること 受くれば 受けよ
「受」の後の言葉は け、け、く、くる、くれ、けよ、となっています。「く」の段と「け」の段、「かきくけこ」の下側の二段に変化しているので、下二段活用と呼びます。他にも「告ぐ」「捨つ」「求む」などの動詞がこれにあたります。ここで、頭を抱えたあなた。ハイクロペディアの「下二活用」の項目へ戻ってください。