わかめ「若布(春)植物」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】

南部若布秘色を滾る湯にひらく 高野ムツオ「片翅(2016)邑書林」

南部若布は、みちのく特産のわかめ。震災からの復興を支える海産物です。熱湯に放つと鮮やかな色に変わる若布。それを作者は秘色(ひそく)と捉えたました。秘色とは青磁の肌のような浅い緑色のこと。中国の越州窯で晩唐から五代にかけて作られた良質の青磁です。王家以外の使用が禁じられたことから秘色と呼ばれるようになったとか。若布の色の形容に用いることで、復興への道を歩み始めたみちのくの海の豊かさを思わせます。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html



おすすめの記事