はるごたつ「春炬燵(春)生活」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】




打って出る顔になるまで春炬燵   寺澤繰子「繰子(2019)志學社」」

春になってもしばらくは寒さがぶり返すことがあります。なかなか仕舞えないのが春炬燵。肌寒いので、春炬燵を出る決心がつきません。でも、大事な用事なので行かないわけには行かない。もうちょっと、温まってからと伸ばし伸ばしにして、やっと覚悟を決めます。それが「打って出る顔になるまで」。炬燵の上にはおやつや読みかけの本、テレビのリモコンなどが散乱している人、いますよね。だって、寒がりだから。春なのに炬燵を出しているくらいですからね。なるべく炬燵を出ずに用を済ませたいのです。そんな人は炬燵から出る時、色々ひっくり返して大騒ぎですよ。多分。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html

 

 






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