目次
俳句の作り方とは?
ここでは、俳句の作り方についてご紹介します。
季語を選ぶ
まず、自分の思い出があったり、自分が好きであったりするような季語を選びます。
例えば、春の季語は桜など、夏の季語はプールなどがあります。
思い浮かぶ季語がないようなときでも、季語としては案外と身近なものもあります。
夏の季語としては、冷蔵庫、サイダー、クーラー、浴衣などがあります。
気持ちやシーンを切り取って、自分が伝えたいものを決める
では、現在の自分の気持ちや自分が伝えたいことはどのようなものでしょうか?
深い思い出があることや現在見ていること、想像したことでも問題ありません。
形にまだならなくていいため、具体的にそのシーンをイメージして言葉にしましょう。
例えば、海開きのときに、きらきらと波が光っている、非常に水平線が長い、などというような情景が思い浮かんでくると、最も自分が伝えたいことを決めます。
5・7・5の17音になるように詠む
次に、5・7・5の17音になるように思い浮かんだ情景を詠んでみます。
あまり難しく考えないで、そのまま思い浮かんだことを詠むと問題ありません。
この方が案外と伝わりやすく素直な俳句になります。
なお、季語は初めの5音、あるいは終わりの5音に入れるのがおすすめです。
例えば、「〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇 海開き」あるいは「海開き 〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇」というような感じです。
きらきらと波が光っていると感じたときは、「海開き きらきら波が 光ってる」と詠むと俳句になります。
読んで違和感があるときは言葉を変える
このように、5・7・5の17音で、季語も入れると俳句は完成です。
ここでは、少し上級クラスの俳句の作り方についてご紹介します。
自分の俳句をもう一度詠んでみて、違和感が何かないか、自分が伝えたいことが本当に含まれているかを検討して、問題があるときは言葉を変えます。
このような作業を推敲といいます。
この推敲は、完成度のより高い俳句を作るために非常に大切です。
そして、季語をここで変えることによって、ぐっと俳句が良くなることも場合によってはあります。
例えば、推敲を先にご紹介した海開きの俳句で行ってみましょう。
言葉として「きらきら」を使っていますが、伝えたいことがこの言葉に含まれているでしょうか?
例えば、「あかあか」の言葉に変えると人が多くない明け方や夕方の海岸線をイメージすることができ、ちょっと言葉としては難しいものですが「燦々と」に変えると、真昼の日光が降り注ぐ情景をイメージすることができます。
例えば、「燦々と」に変えると、次のような俳句になります。
「海開き 燦々と波が 光ってる」
切れ字を使用した俳句の作り方とは?
ここでは、切れ字を使った俳句の作り方についてご紹介します。
俳句としては、「松島や ああ松島や 松島や」というものを見たことがあるでしょう。
この俳句の解釈は、一般的に松島が非常に美しいので感動しているということです。
この俳句の「や」が切れ字になります。
切れ字というのは、感動を俳句の中で表現する言葉で、効果としては前の言葉をリズムの切れを生むことによって印象付けるものがあります。
切れ字の代表的なものとしては、「や」「けり」「かな」があります。
普段喋っている口語でなく、このような書き言葉、昔の言葉の文語を使用することによって、俳句の味わいがさらに増してきます。
例えば、先にご紹介した俳句では「光ってる」という言葉を使用していますが、この言葉は普段喋っている口語です。
そのため、「けり」の切れ字を使用して「海開き 燦々と波が 光りけり」とすると、もっと俳句らしくなります。
また、「をり」の切れ字を使用して「海開き 燦々と波が 光りをり」とすれば、まさに今波が光っていることが表現できます。
切れ字としては、多くの種類があります。
切れ字は、48個全部であると考えられているときもあります。
というのは、俳人の松尾芭蕉が次のようなことをいっていたためです。
「切字に用る時は四十八字皆切字也。用ひざる時は一字も切字なし」
この意味は、「切れ字として使用するときはいろは48字の全部が切れ字になり、切れ字として使用しないときは切れ字には1字もならない」ということです。
いろは48字というのは、いろはにほへとを全部数えれば48字になることです。
そのため、この世の中にある字は切れ字に全部なり得るということを、松尾芭蕉はいっています。
しかし、48字では切れ字が多過ぎて俳句を作るときに混乱します。
そのため、切れ字としては、現在では主として「や」「けり」「かな」の3つが使用されています。