くもの糸一すぢよぎる百合の前 大正末期から昭和初期にかけて活躍した4Sといわれる俳人たちがいます。水原秋櫻子、山口誓子、高野素十、阿波野青畝。いずれも高濱虚子の門人です。秋櫻子と素十は東大の医学部出身で友人。秋櫻子が虚子の写生にあきたらなくなり、和歌の要素を俳句に加えようとして離れていったのに対し、素十は写生を信奉し、...
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ア行 ア ああ・嗚呼(序文に代えて) https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/634 アート https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/152 あいにく・生憎 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archive...
何を題材にしていいかわからないときは、その場にある違和感を詠んで成功する場合があります。例えば神社の鉄柵です。もともと鳥居や建物はあったでしょうが、立ち入り禁止の鉄柵などは、比較的新しいものでしょう。違和感があります。でも、そこに着目することでささやかなオリジナリティが生まれるのです。あえて言えば、カメラを向けるとき写...
存問とは挨拶のこと。日本最古の書物、古事記にはイザナギとイザナミの挨拶が記されています。まず女神が言います。 阿那邇夜志愛袁登古袁(あなにやしえおとこを) ああ、なんという見目麗しい人でしょう。男神が応えます。 阿那邇夜志愛袁登売袁(あなにやしえおとめを) ああ、なんて見目麗しい乙女だろう。節をつけて謳われたであろう、...
かつて、ある政治家が「私の俳句は川柳のようなもの」と謙遜してみせたところ、川柳愛好家から猛抗議を受けたことがありました。川柳は俳句の季語がないもの、俳句より一段劣ったものと考える方が多いようですが、それは誤り。俳句と川柳は同じ五七五の詩形を持っていますが、全く別のジャンルです。川柳と言えば世相を風刺したものがすぐに思い...
実作と選句は俳句の両輪だと言われます。実作の腕が上がれば選句が上手になります。選句が上手になれば作るほうも巧くなります。私はこの関係を、野球の打撃と守備になぞらえています。実作は打撃。選句は守備。打撃はスランプがありますが、守備にはありません。誰にも俳句が作れなくなる苦しい時期がありますが、そんな時にも誠実に選句をした...
火事場の馬鹿力です。句会の場で出される即興の題のことで季語のこともそうでないこともあります。大体二~三十分で一~二句作ることが多いようですが、慣れてくると一分、いえ十秒で一句作ることも平気になります。俳句は文芸ですが、同時にゲーム的な要素を併せ持っていて作り方のコツや攻略法も確かにあるからです。 さて先日の句会で「キュ...
あなたは自作の俳句を、どのように保存していますか?案外作りっぱなしの方が多いもの。しかし、整理をきちんとしておかないと、後々後悔することになります。作ったら、まずパソコンに打ち込みましょう。エクセルかワードがお勧めです。そして、残したい句は緑、賞に応募したら黄色、入賞したり掲載されたりしたら赤などと、色を付けて保存しま...
季語は感覚を呼び覚ます力を持った言葉です。「梅の花」といえば、色とともにその香りを。「潮干狩」といえば、浜辺の光景とともに海の匂いや波音、水の冷たさを。「バレンタインデー」と言えば必ずチョコレートの甘さや色を想像します。色や光景は視覚。波音は聴覚。匂いは嗅覚。冷たさは触覚。甘さは味覚です。これらの五感に加えて、季語は連...
翅わつててんたう虫の飛びいづる 高野素十 俳句のカメラには様々な機能が備わっています。この句は、てんとう虫が茎を登ってゆくところ。先端にたどり着くと、もう登ることができません。さあ、どうするだろうと見ていると ぱかっと硬い翅が割れ、その下から薄い翅が現れました。羽ばたくや 見る間に飛び立ってゆきます。掲句は、これだけの...
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