目次
俳句 マ
<上・ま>
まあだだよ
マカロニの
まきずしを
まざまざと
まじまじと
マスクして
またおいで
またたきを
またたける
また一年
まだ飲むの
まだ覚めぬ
まだ見ぬ子
まだ醒めぬ
まだ青き
まだ白紙
まだ眠い
まだ来ない
まちわびし
まつたけが
マッチ棒
まっ白な
まなうらに
マニキュアで
マネージャー
マネキンの
まのあたり
まばたけば
マフラーの
マフラーを
ままごとの
ままごとや
マラソンで
まゐらする
マンションの
まんまるい
ま向ひに
街すぎて
街に住み
街に来て
街の灯に
街角に
街角の
街中に
街中の
巻貝の
丸木船
真盛りの
真中に
真昼時
真夜中と
真夜中や
窓の上に
窓の灯の
窓の日や
窓下の
窓開けて
窓枠が
孫抱いて
待ちわびた
町かどの
町じまん
町に入る
町の端の
町を出て
町遠く
町外れ
町筋の
町中に
町裏や
豆まいて
豆まきや
眉細き
負け試合
枕辺に
万太郎
万歩計
満開の
満月が
満月の
満月を
満天の
漫才で
無くなりし
迷ひなき
俎板の
眩しさは
町空の
都会の空
満天の
<中・ま>
まいごの消しゴム
まがり立ちをり
まぎれて飛べる
まぎれながらに
またたき見えて
またねの声が
まだらに更けぬ
まだ乾かない
まだ降る雨や
また咲くからねと
まだ散るわけには
まだ明けきらぬ
また明日ねと
まつくらがりの
まっさかさまに
マナーモードの
まなこ疲れて
マネキン微かに
まひるの市の
まひるの潮の
まぶしき里の
まぶしけれども
まぶしすぎるよ
まぶたとづれば
まぶたに浮かぶ
マフラーふわり
マフラーまいて
マフラーを巻き
ママの星座は
ママの説教
マリリンモンローに
まるでゴリラの
まるでさびしい
まるよりきれいな
まろび落ち来る
マンガ家気分で
まんざいバカウケ
ま昼の如き
回る音聴く
廻りそめたる
巻いても巻いても
間違えられる
丸い瞳で
幻に恋う
祭りの後は
招く夕焼け
松にささやく
真っすぐ上がった
真っすぐ進む
真っ赤にそまって
真ん中にいる
真ん中に立ち
真似る我が子と
真昼の街は
前で息子に
前にぽとりと
前歯の抜けた
前髪そよぐ
全き色の
窓から抜けて
窓から隣家に
窓に出て居り
窓のむこうに
窓の結露の
窓の真下や
窓の灯こぼれ
窓ひとわくが
窓よりつづく
窓を叩いて
窓を落ち来る
窓一ぱいの
窓親しさや
窓全開で
窓辺をよぎる
孫に背負われ
待ってる様子は
町となりたる
町の中なる
町の匂いを
町はカンバス
豆に詳しい
眉こそばゆき
眉の中なる
負けじとさけぶ
負けじと走った
負けない速さ
負けない力の
魔法のとける
魔法の時間の
枚数足りん
毎日掃いて
又帰るべき
又遅れたる
抹茶に添えた
満員電車の
迷子になった
迷子の枯葉
眩しき空を
睫毛にメイク
瞼の上を
まだ赤き空
<下・ま>
まがり角
まがるなり
まぎれつつ
マスクかな
またさびし
またたきつ
またたけば
まだわかい
まだ暗し
また一緒
まだ慣れず
まだ固い
まだ昭和
まだ付かない
まだ暮るる
まだ未定
また明日
まだ遙か
まっている
まで冒す
まどろめる
まのあたり
まのあたり
まぶしいな
まぶしくて
ママにした
ママの子ね
まめやかに
まるをかく
まる聞こえ
マンホール
委せおり
回ってる
廻し讀み
廻りけり
街に出づ
街に買ふ
街に来た
街照らす
街灯り
学んだ春
巻きつけし
間違われ
丸うしぬ
丸かじり
丸噛り
交へたり
交り来し
混ぜごはん
祭りかな
撒く男
守るんだ
招かれる
松の幹
松の中
松飾り
真つ盛り
真一文字
真夏の日
真黒し
真似したい
真倉なり
真平ら
正岡子規
前に立ち
前を去る
前髪に
窓げしき
窓ごしに
窓ちかみ
窓に見ゆ
待たずして
待ち合わせ
待つことに
待つ地蔵
町の陰
町の中
町はづれ
町住ひ
豆が好き
豆の木だ
豆をまく
豆を喰う
負けずぎらい
舞い上がる
紛れたり
魔のこたつ
枕上
又一つ
又聞ゆ
抹茶かな
満足です
迷い込む
睫毛かげ
俳句 ミ
<上・み>
みささぎの
みじろがぬ
みずくさが
みずすまし
みたらしの
みちのくの
みつけたよ
ミツバチは
みどり子の
みな昼寝
みな留守の
右肩に
右耳に
見えて居て
見つかりし
見て見てと
見も知らぬ
見る人も
見失なう
見上げれば
見返れば
湖に
溝川に
耳うとき
耳の中
耳遠い
耳鳴の
実りの秋
身の果も
身ひとつを
身籠りて
水たまり
水にうつる
水にひびく
水に映ゆる
水の音
水の上に
水の面に
水の面へ
水音が
水汲みに
水汲んで
水玉の
水際に
水周り
水張りし
水鳥の
水底を
水鉄砲
店先に
店先の
道の辺の
道ばたに
道はたの
道遠き
道果てて
道草や
道草を
道々の
道問われ
峰つづき
満ちたりし
未整地の
岬迄
民宿の
水絵空
水の空
<中・み>
みかんの皮だけ
みたいな家族に
みなに買ひたる
みな水の面へ
みのむしにする
みるみるかはる
みんなそろって
みんなにさわられ
みんなのアイドル
みんなのべろは
みんな地球に
みんな仲よく
みんな忘れて
みんな黙して
みんみん蝉を
右に左に
右手だけでも
海月の母船
皆に笑はれ
皆向ひ来る
皆濡れている
皆反つてゐる
皆歩み居る
見えてきさうな
見えてて遠い
見えて感じる
見えて来りし
見えない自分
見えなくなるや
見える巨木で
見える電車は
見え初める灯や
見つけては踏む
見ていたはずが
見ている私が
見てるだろうか
見てゐる街の
見ゆる駅まで
見わたすかぎりの
見上げて広がる
見方変えれば
御あかしあげて
港の船も
三つ数えて
三つ又大根
耳にのこれる
耳遠くなり
身ごもる妻に
身にあつめたる
身をひそめてや
身丈に余る
水あさくなる
水いつぱいに
水が濁りを
水こぼしつつ
水さわぎ来ぬ
水と暮れゆく
水にゆらるる
水に影さす
水に音して
水に出てゐる
水に洗へば
水に落ちたる
水に落ち込む
水のつたへる
水のはげしさ
水のほとりの
水の光りし
水の走れる
水の中より
水の白さや
水は流れて
水ひたひたや
水も動くや
水ゆるやかに
水をおくれと
水をはなるる
水を呑みたる
水音だけが
水音細く
水汲む音や
水光りつつ
水菜大根
水際までの
水縦横や
水濁るなり
水底に居る
水底浅し
水明りかへす
水明りする
水鳴る闇や
水面に浮ぶ
水面見え来し
道あらはるる
道ながながと
道の真ん中
道の遙かや
道草を喰う
磨いて春を
味噌蔵香る
味方につけて
未来がふあんだ
未来へのドア
未来をみつけ
未来を託す
民家の飾り
乱れんとして
乱れ光りて
緑の中に
路を這ひゆく
巫女さんみんな
巫女の仕草に
<下・み>
みえてくる
みかん色
みけんじわ
みごとなる
ミステリー
みぞれかな
みたいだね
みだれなく
みだれ髪
みちのべに
みぢろがず
みつけたよ
みつたべる
みづみづし
みづみづと
みなうごく
みな壊す
みな歩く
みな恋し
みやりつつ
ミルクティー
みんないい
みんなみへ
右左
皆が向く
皆はやく
皆一つ
皆似たり
皆青し
幹のかげ
宮仕へ
宮大工
見えざりき
見えてきし
見えてきた
見えますか
見えるみたい
見せくれぬ
見せてない
見ただろう
見つけたよ
見つつすぐ
見つめてる
見つめゐし
見ていたり
見ているよ
見てみたい
見にゆきぬ
見ゆるなり
見る桜
見慣れつつ
見失ふ
見送られ
見送りぬ
見届ける
御堂あり
港あり
港の灯
港口
港町
耳で聴く
耳の穴
耳赤し
実をこぼす
実を垂れぬ
身にしみつ
身に染みる
身のほとり
身をかくす
身をひたす
身を悔ひて
水けぶり
水すまし
水に沿ひ
水の音
水の上
水の面
水の湧く
水を飲む
水枯れる
汀石
店まわり
道しるべ
道すがら
道つける
道となる
道に出づ
道に踏む
道ふさぐ
道を聞く
道を来る
岬あり
緑こめ
嶺くらし
路しげき
路を行く
路を又
俳句 ム
<上・む>
むしくいの
むつつりと
胸にさす
胸に湧く
胸も濃き
群れて行く
群れて咲く
群れて来て
向きかわる
向き向きに
紫の
村々の
村百戸
虫のよう
虫の穴
虫めがね
棟上の
椋鳥の
婿のきて
娘言う
<中・む>
むかえるいとこの
むかって投げる
むくろとなりぬ
むらさきうすき
胸のふくらみ
胸打ちたたく
胸踊らせる
群がるよりも
結ぶと今日が
向うの岸の
向かいの家族
向かって来るよ
向きかはりゐる
向こうで君が
向こうはトンボ
向こうは雪だと
向つて吹ける
紫うつる
紫ひくや
昔のことよ
昔のことを
昔の人の
昔の夢に
昔偲びて
昔城下や
息子はいつも
村に今年も
村のみんなで
村の希望や
村人役に
虫歯にひびく
夢中になって
無言の駅に
無言の冬木
無人の廊下
無人駅から
無賃乗車の
娘の肩に
娘の彼氏が
無限の空の
むなしき空に
無限の天を
無象の天を
<下・む>
むさぼりぬ
むらさきに
胸を張る
迎えうつ
結ばれて
結びては
向ふむく
村となる
村の墓地
村を過ぐ
虫歯かな
麦わら帽
麦藁帽
無一文
無重力
無人駅
莚敷く
俳句 メ
<上・め>
めいめいに
メールより
めかれたる
めぐまれし
めぐり来る
めじろ来て
めづらしき
メラメラと
めらめらと
メリークリスマス
めりめりと
メンタムを
眼に触るる
眼覚めゐて
飯くうて
明滅す
目も口も
目を入れて
目を伏せて
目鼻なき
<中・め>
メールはいつも
めぐりめぐりて
めくるとそこに
メダカの気分を
メニュー読む夫
めらめら燃ゆる
メロディ笑顔が
めんこい子供に
眼に遠山の
眼に何うつる
眼の鋭さや
眼の中の
眼鏡のレンズ
眼鏡を外す
飯もおさいも
迷路抜けたら
目だけで送る
目覚ましよりも
目覚めてありぬ
<下・め>
目路のはて
目鼻だち
目出度さよ
目刺焼く
目覚め時
目覚めをり
目覚めよし
目印だ
目をとづる
目をそらす
目をうばふ
目に立ちぬ
目に高し
目にたぐる
目ざめゐる
目が合った
明治の書
飯食へり
飯を食ふ
飯の膳
巡る駅
眼を囚ふ
眼をあつめ
めじろ押
めしまづし
めぐりたる
メールする
俳句 モ
<上・も>
もうすぐ梅雨
もえさして
もぎたての
もくせいの
もぐもぐと
もちつきの
もち丸め
もてなしや
もどりても
モナリザの
ものいはぬ
ものうとき
ものくふて
ものたらぬ
もののふの
もの言はぬ
もみじ狩り
もらわれて
もろもろの
森の中
森の風
盛り分ける
桃色を
燃える日に
物しらぬ
物干の
物言えぬ
物書て
物買うて
物縫へる
目標は
餅伸びて
餅搗きは
戻り来し
門に出て
門深く
門前の
門灯の
沐浴の
<中・も>
もういいかいの
もうすぐみんな
もうすぐ我が家に
もじゃもじゃ頭が
もたれ心や
もち替ゆる手を
もったいなくて
もてあましけり
もぬけのからの
ものの生命や
ものを燃しつ
もの思ひ居つ
もの燃え来り
もまれて落ちぬ
もらったこねこ
もり上りたる
モンシロチョウも
元の所に
元はとったと
紅葉に映る
催す頃の
持たせしままに
持たぬ私は
森の息吹を
森の中なる
森の中行く
森をはなれて
潜れば夢の
喪に服したる
桃太郎てふ
燃えて明るき
燃え上りたる
物足らぬ日の
文字がかすんで
文字もブルブル
模様が描く
猛暑の中の
目標サイズの
戻ってこない
貰ひしままの
紋白蝶と
紋白蝶は
門の中より
門をめぐりて
門を出てくる
門を離れて
もとの虚空に
<下・も>
もういない
もうひと寝
もう一人
もう十年
もう春だ
もえちゃうね
もがいてる
もっている
もつれつつ
もてあます
もとめつつ
もどりくる
ものが降る
もののあり
ものの影
もらいけり
もらいたい
もらったよ
もろの手に
もん黄蝶
紅葉かな
最上川
持ちてゆく
持ってくる
守る人ら
森の中
申しでる
喪に服す
燃えてゐる
燃やしおり
燃ゆること
百舌と見る
物干場
物語
文字をかく
萌える山
盲導犬
勿体なや
戻したい
戻ってきた
戻って来い
門くぐる
門の内
凭れいる
濛々と