季語以外キーワード




目次

季語以外キーワード(上・下5音)

「もう」と「未だ」
あいうえお
あきのくれ
あたらしく
あちこちと
あと5分
あどけない
あどけなき
あとさきに
あとで消す
あとわずか
あと三月
あと三年
あなたみたい
あの雲は
あの家は
あの橋を
あの言葉
あの山の
あばれけり
あふれをり
あほらしき
あまねしや
あみの上
あやとりで
あやまちは
あらぬ方
あらはなる
ありありと
ありがとう
ありたけの
ありたけを
ありたちは
アリだって
ありにけり
あるじより
アルバムが
アルバムに
あるものか
アンテナの
いう不思議
いかめしき
いきいきと
いきいきと
いさぎよし
いち早く
いつくしき
イニシヤルの
いのちふたつ
いふ日かな
いもうとの
うかうかと
うかうかと
うごきけり
うしなへる
うしろより
うすうすと
うすみどり
うたがわず
うつくしき
うつくしき
うづめけり
うとうとと
うどん打つ
うなゐ髪
うまさうな
うらやまし
エキストラ
エレベーター
エレベーター
おくれがち
おさなごの
おしみけり
おしゃべりな
おどろけり
オホーツクの
おもふべし
おらが世や
おろしたる
お互ひに
お白粉は
かいてある
がうがうと
かおもてり
かがやかす
かがやけり
かずしれず
かたまつて
かなしみは
かへる木よ
かまくらへ
かよひ道
からからと
がらんどう
かりかりと
くぐりけり
くだけけり
くつがへる
くぼみあり
クラス会
くるぶしに
ぐんと落ち
けさ摘みて
けふにほふ
けふも咲く
けむり吐く
ここよここよ
こちこちと
こちら向く
ごときもの
ごとき顔
ことごとく
ことごとく
ことにのみ
こと一寸
このなみだ
この国に
この道を
こはれもの
ごぼごぼと
こぼれては
こぼれ落つ
これにあり
これはこれは
これはもう
これ以上
ころがして
ころげゆく
ころびけり
こんなもの
こんにちは
こんにやくを
さういへば
さう言へば
さきにけり
さきへ起き
ささやくと
さすことも
サスペンス
サッカーに
さびしいぞ
さまざまの
さめやらず
されたがる
されにけり
しずかなり
シスターの
してしまふ
しばらくは
しぶしぶと
しぶしぶと
しまひけり
しめりかな
シャツを干し
シュトラウス
シーツ干す
すくと立ち
すぐ乾き
すぐ伸びる
すこしづつ
ステテコで
ずる休み
すれちがふ
すれ違う
せりせりと
せんせいも
そこら赤
その下の
その上に
ソムリエの
それぞれの
そろばんに
たく像の
ただのひと
たち悪し
たとふべき
たとへたり
ためし撃ち
ためにもあり
ちらちらと
ちらばつて
つかまりぬ
つながつて
てのひらに
デパートの
どう向きを
とがめまじ
とけい屋の
どこからも
とこしなへ
どつこいしよ
どつしりと
どの花も
とびとびに
とまどひの
ともなひて
ともりけり
トランプを
とりあえず
とりついて
とりとめし
どん底を
なかりけり
なすままに
なつかしき
なつかしや
なにもかも
なにもかも
なみだかな
ならびけり
ならびけり
なりにけり
なるべしと
なんて嫌
ヌードの絵
のせて出る
のぞかれて
のたりかな
のどぼとけ
のど自慢
のばしけり
のぼりゆく
ハイカーも
はかどらず
はしごかな
はじまれり
はじめけり
はじめより
バスの来る
バスを待ち
バス着けば
パソコンの
はとバスが
はらわたの
パリジェンヌ
ピクリとも
ひすいの目
ひそひそと
ひとつづつ
ひとつづつ
ひとに逢ふ
ひとのこと
ひとりかな
ひとりとは
ひとりなり
ひとり身の
ひまもなく
ひらがなの
ひらひらと
ふしあはせ
ふたり居の
ふだん着で
ぶつた切る
ふと恐し
ふりがなの
ふり向けば
ふるさとに
ふんばつて
ベッドより
へぼ将棋
へろへろと
ぼうぼうと
ほしいまま
ほどの窓
ほめにけり
ほろほろと
ポーズかな
ホース跡
またがりて
まだそこに
またはじまる
またもとに
まだ遠く
まだ遠し
まちがえて
まっすぐに
まで食べる
まのあたり
マラソンの
マンホール
まんまるく
まんまるし
まゝ事の
みごもりし
みちのくの
みどり子の
みなで取る
みな男
みほとけの
むかせけり
むかれたり
むつかしく
めぐまれず
メロドラマ
メロンパン
もてなしに
もどりけり
もの言へず
ももいろに
もろきもの
もろとりの
やうな人
やはらかき
やはらかし
ゆっくりと
ゆで玉子
ゆふべかな
ゆるやかな
よき習ひ
よき乱れ
よく育ち
よく育ち
よく育つ
よく見ゆる
よく匂ひ
よく理屈
よそ見して
より所
らしくなる
レッスンの
ロボットと
わが机
わが夜明
われ先に
をりにけり
愛しけり
愛しさ
愛しめり
愛犬と
愛犬も
愛告げる
愛猫の
挨拶す
握り飯
案の定
意思表示
慰霊碑の
椅子に足
胃袋と
医師の言ふ
一つずつ
一つまみ
一人居の
一人占め
一人旅
一張羅
一日は
一杯目
一番の
一文字
一本の
一輪ざしに
溢れおり
引上げる
飲み乾しぬ
宇治に似て
宇治の里
宇宙図鑑
雨あとの
雨のあと
雨のなか
雨の音
雨の玉
雨の午後
雨の字は
雨の中
雨の日は
雨はげし
雨を待つ
雨音の
雨過ぎし
雨後の庭
雨降れり
雨傘も
雨上がり
雨上がる
雨水の
嘘ついて
嘘つきし
嘘もあり
嘘もつき
運びくる
雲に触れ
雲の上
餌探す
影をつれ
影を掘る
影深く
栄養剤
永平寺
泳ぎおり
泳ぐなり
鋭どけれ
駅長の
円ドルの
円安も
円周率
炎昼に
煙突は
艶競ふ
遠き道
遠眼鏡
遠慮なく
鉛筆の
汚しけり
押し通す
沖に出て
沖よりの
俺のこと
穏やかに
音すなり
下に敷く
化粧する
何となく
何となく
何ひとつ
何もかも
何もせず
何もなし
夏めくや
夏座敷
家にあり
家に入る
家の中
家遠し
家中が
家中の
家直す
家々や
寡黙な木
火の海へ
火の車
火の粉かな
火事ですよ
火星人
花あれば
花の雨
花よりも
過去は過去
我に似る
我思ふ
我庭に
我立てば
我老いぬ
会いたいと
会いに行く
怪我の指
海の水
海へちる
海女とても
海鳴りは
開きけり
開会す
蓋あけし
蓋とらず
街となる
街を行く
覚えある
覚えけり
学問は
樺太の
鎌倉を
刈り込みを
乾きけり
寒いのは
干拓の
幹も黄に
幹を背に
歓声の
甘えたき
看護婦の
竿重し
肝臓は
顔のまま
顔ばかり
顔見えず
顔知らぬ
願はくば
寄せて来る
寄り目して
帰りくる
帰りけり
帰りけり
帰り道
帰国して
気にいらぬ
起きよ起きよ
起き上がる
飢もあり
鬼瓦
蟻と僕
客として
逆さ吊り
丘に立つ
休講と
休息時
及びごし
宮静か
救急車
汲みにけり
汲みわけて
泣きたいこと
泣き寄る子
泣き軋る
旧姓は
牛の足
牛の目に
牛一頭
牛放つ
去りがたな
魚を見に
供え物
強く押す
強情の
教師笑む
橋下に
鏡見て
仰ぎけり
曲りけり
曲りけり
玉のせる
近づいて
近道の
近道を
金のこと
金ピカに
銀行へ
銀座裏
句をつくる
句会かな
駈け登る
具体案
喰うて寝て
空に会ふ
空に咲く
空の色
空へ消え
空も星も
空ラ財布
空缶に
空缶を
空港に
空腹に
隅の客
掘りあてし
沓の音
形良き
渓谷の
軽く揺り
芸達者
迎へ傘
穴を出る
穴場あり
結局は
結婚す
月あかり
月日かな
月夜かな
健やかな
嫌われて
犬からの
犬として
犬を連れ
肩出して
見たりけり
見る妻と
見返りて
軒の下
元気良き
言ひたくて
言ひながら
言ひ出せず
古き世の
古希といふ
古郷なり
古郷や
古妻や
古池や
故郷の
故郷や
狐かな
袴はく
股のぞき
五十年
五年後の
吾を見たり
後向く
誤字を見て
交差点
光あり
光惚と
口に入る
口の中
口開けて
向きあうて
向けにけり
好きな子の
好きな人
好ましく
好みけり
幸すこし
広さかな
広葉かな
江の島の
江戸つ児は
紅さして
絞めてやる
荒削り
行かぬ母
行く水や
香水の
高く漕ぐ
高さかな
高笑ひ
高々と
刻を持つ
国家より
国二つ
黒き枕
黒土に
黒髪に
腰かけて
骨鳴りて
紺青の
魂まで
砂塵舞ふ
砂浜へ
座禅解く
最寄駅
妻たちの
妻のこゑ
妻の武器
妻の留守
妻は留守
妻も吾も
妻よりも
妻留守の
宰相の
咲きいずる
咲きつらなり
咲きにけり
作りごと
殺生の
三四人
三粒づつ
傘さして
傘のうち
傘乾して
傘二本
山しづか
山の雨
山の汽車
山の水
山の日の
山ふみの
山もとは
山国の
山削る
山小屋を
山畠
山鳩の
山門に
散らばれり
散りにけり
散りみだす
産み月の
算数は
残る宿
仕事部屋
仕切り癖
四五月の
姉らしく
子に見えて
子に優し
子の尻を
子の寝相
子の部分
子の母の
子もりする
子を生みし
子を抱きて
子供かな
子守唄
子沢山
子等が駆け
子等の列

思はずや
思ひきり
指輪買ふ
止むは長く
死にました
死んでいい
獅子頭
紙風船
視野に置く
詩も川も
歯になじむ
事と知る
事多し
似たるかな
似合ひけり
児を放つ
寺子屋に
持ちこめり
持ち帰る
自己主張
七人の
叱られて
失ひし
失速す
写真ほど
捨ぜりふ
捨てどころ
借りて着る
借りて来し
若き父
若白髪
主張せり
主役には
手のとどく
手のやうな
手の太さ
手をあげて
手紙添へ
手拭を
酒つげば
酒桶の
酒少し
収穫の
愁ひつつ
秋の蝉
終バスを
終電の
住む未来
住吉の
充満す
十年を
銃のごと
出さぬ文
出る杭の
出勤す
出鱈目な
出入口
出放題
処刑台
初孫の
書き損じ
書くために
書斎哉
女の子
女同士
傷舐めて
小学生
小田の土
少し増え
少し老ゆ
少年の
松の木の
消えやすし
消しとめし
焼かれけり
焼跡に
硝子越し
笑ひ声
上るより
上塗を
上品に
場所とりを
蒸気かな
譲る気の
食い終わる
尻軽し
唇に
寝ころんで
寝言みな
心地よき
振り落す
新しき
新しく
新築の
深さかな 
真つ裸
真正面
針ありと
人といふ
人にやや
人の顔
人の顔
人の死へ
人の死も
人はみな
人はみな
人よりも
人を見て
人違ひ
人影の
人間に
人間に
人間も
人形の
人村も
人歩く
人来たら
人々の
水のごと
水のめば
水の音
水の上
水の色
水の底
水やりも
水を飲む
水底の
水面に
世の乱れ
世は動く
制服の
整然と
星屑や
生きられず
生き通す
生くるとは
声かけし
声かけて
声援す
西の旅
青いから
青い空
青い月
青い山
青い波
青い風
青空に
青空は
青天に
青々と
静かなる
静電気
税金を
席はづす
惜しきかな
惜しみける
石ころも
石の上
石蹴りの
石段に
赤い糸
赤い鼻
赤い羽根
赤ちゃんと
赤ちゃんの
赤黄白
赤子ごと
切つ掛けは
切手貼る
切腹の
折々は
絶対に
先頭も
宣言す
泉かな
選んだ日
選挙カー
前おきの
全力で
粗末なり
素振りして
僧居らず
倉の街
爽やかな
掃き出すも
窓ごしに
草の戸も
草臥て
走りくる
走る虹
増水の
蔵並ぶ
息しづか
息づける
足あとの
足あとを
足が出て
足なめて
足運ぶ
足音の
足音は
足取られ
足跡は
足跡を
足早に
足二本
足裏が
袖口の
孫つれて
太つてゆく
太陽と
太陽の
太陽を
太郎とは
打たれけり
待たせたる
待ちきれず
待ってゐる
苔一片
袋より
貸しボート
退屈な
台所
台秤
大いなる
大きな手
大釜に
大鏡
大空に
大江戸や
大山の
大仕事
大樹かな
大渋滞
大小の
大笑ひ
大地かな
大仏に
大変と
凧あがる
叩かねば
叩かれて
叩き合ふ
脱字あり
脱線す
谷の空
谷の道
誰よりも
担任に
探し得ず
淡い恋
誕生日
弾みゐる
知らずなり
知りたくて
地のかぎり
地獄耳
地図たどり
置きゆきぬ
遅刻の子
竹伐れば
茶漬飯
着たりけり
昼に出し
昼下がり
虫けらに
朝ごはん
朝の雨
朝の雨
朝の風
朝の飯
朝食は
朝日かな
朝風に
町に住み
町はづれ
町外れ
町中の
長生きも
長電話
頂上に
鳥声を
追伸の
通勤の
釣船の
堤かな
定年の
弟子たちは
弟子達に
梯子かけ
諦めも
釘一つ
的になる
笛に似て
溺愛す
鉄片の
鉄棒の
天と地の
天に向け
天よりも
天下なり
天下取る
天懸る
天使舞ふ
天辺に
添寝かな
転じたり
点滅す
点々と
電線に
電線は
電話あり
電話鳴る
塗りこめし
登りけり
登校す
土の艶
土もまた
怒りけり
怒濤かな
倒されて
東山
東京に
東京駅
桃太郎
盗られけり
湯の煮ゆる
湯を落とす
灯に群れし
灯の下に
燈をともし
当直医
藤垂れて
踏まえたる
踏みて直ぐ
逃げてゆく
逃げること
透間かな
頭振る
働くか
動きだす
童かな
童の手
道のべに
道のべの
道化師の
道祖神
峠かな
得意なり
読まず書かず
鳶の笛
遁走す
曇りかな
曇りけり
縄電車
楠に風
二つして
二科展の
二階より
二三人
二十年
二人して
二夜かな
二輪哉
日の暮れの
日も一輪
日をのせて
日影かな
日本海
忍ぶとは
濡れてをり
猫ぎらひ
猫までも
猫背なる
年を取る
年老いし
燃やし合う
悩まさる
納まらず
納めけり
農学部
覗き見る
波の末
派閥あり
背を向けて
背負ひたる
買ふ客と
売りにけり
売れ残る
這ひ上る
泊めし家
泊り客
白さかな
白足袋を
白猫や
白髪の
白帆ゆく
白壁の
薄さにも
薄雲の
薄埃
爆心地
箸の先
箸立の
八方へ
抜きにけり
半世紀
半分は
反らしけり
反抗期
反射炉を
帆の立ちし
晩年の
疲れけり
秘仏堂
秘話伝ふ
避けられず
飛びにけり
飛行雲
飛騨の夜を
尾は蛇の
尾瀬をゆく
眉重く
美しき
美しき
美少年
鼻毛かな
膝小僧
紐いろいろ
百貨店
百年後の
病人に
病癒えて
浜に消え
浜の宿
浜風や
貧乏に
不覚かな
不倖せ
付け睫毛
夫の文字
夫を待つ
夫失職
夫婦して
斧こだま
普段着の
浮世絵に
父と子と
父と母
父母遥か
武蔵野の
部屋一つ
風さけて
風に落つ
風のなき
風の中
風邪ぎみの
風出でて
風吹けば
払ひけり
沸きに沸く
仏像に
仏頂面
物好や
分校の
糞をする
聞かぬふり
平らげて
並べ置く
閉めにけり
壁に触る
壁一重
別に在り
別々の
別々の
片隅に
返事して
勉強部屋
弁当が
弁当も
捕へしは
歩いたら
歩いてく
歩いてる
歩きけり
歩きたい
歩き出す
歩き出す
歩き出す
歩くだけ
歩く会
歩みけり
墓あはれ
墓のかず
墓多し
母が子へ
母つくる
母とわれ
母の眼の
母の骨
母は亡き
母やさし
包まるる
包丁に
包丁を
峯を越す
崩れけり
抱き上げて
抱ごころ
放たれし
泡のびて
泡一つ
亡き祖母へ
亡き母の
亡き友の
忘れけり
忘れ水
房のまま
頬杖も
北を指す
北斎も
本あまた
本を持つ
本丸に
本降りと
本籍は
本当は
本売りて
埋もれけり
毎年よ
又もらふ
末つ子の
末つ子は
味よりも
味噌汁の
妙齢の
眠られず
眠りつつ
眠りをり
眠るとは
眠る子の
夢心
無職なり
無人島
無尽蔵
無洗米
無防備な
娘を奪ふ
名を呼ばれ
名を知らず
名城も
明らかに
明るさよ
明日へ生く
明日欲しや
迷つたら
鳴かれけり
鳴き過ごし
鳴りにけり
鳴門かな
鳴門沖
滅多切り
面倒な
網棚に
木の下が
木樹の
目には青葉
目覚めかな
目分量
戻りけり
門田かな
夜の色
夜の町
夜ふかく
夜着の穴
夜遊びの
野仏の
野良猫に
薬売り
油断した
勇気こそ
友の来る
悠久の
誘はれぬ
遊ばせて
遊ぶなり
遊ぶ鳥
遊ぼうか
夕べかな
夕べなり
夕月夜
夕仕度
夕膳に
夕日背に
夕風や
夕暮の
夕暮や
揺れやすし
陽に入れて
来たりけり
来てゐたり
来て祈る
来りけり
頼るもの
絡まりて
落ちにけり
卵割る
藍染めの
利根ながる
裏の川
里の道
立話
略しけり
流す国
流れあり
流れけり
流れつつ
留守の戸の
留守居かな
留守番の
旅やつれ
旅果ての
旅人の
猟人の
量られて
力ほど
淋しいな
淋しさや
涙かな
冷えてきし
冷えにけり
冷々と
鈴に入る
霊前に
霊柩車
麗しき
齢かな
恋のない
恋ばなし
恋文は
浪と唄
浪の音
老いにけり
老いにけり
老の腰
老化です
老人の
六十年
話すかな
腕組みて
壺二つ
懺悔室
鬱の日の
烟かな
甦る
籠に盛り
簷(のき)に啼く
臍出して
薔薇抱いて
諳んじて
鬢かくや
晴着かな
神学者
福引の
諸鳥に
都かな
飼ひ猫に
京なまり
京の水
到りけり
憎きほど
憎みけり
時を待つ
時計かな
萱が軒
麦のはら

季語以外キーワード(中・7音)

アイスピックや
あちこちとするや
あつけらかんの
あとは抱かれて
あはれ此世に
いう目付なり
いつかどちらか
いつしかひとり
いつも横向き
いつも誰かが
いづれも力
いの一番の
いふことのなき
いふ平凡を
いまだはたせず
いま日の当たる
うきの動かぬ
うきの動かぬ
うしろからけむり
うしろの闇へ
うしろ向かれし
うちでのこづち
うんともすんとも
おそきをなげく
おなじ姿に
おのれの居場所
おぼれぬように
おもたき琵琶の
おもはぬ速さ
お袋大事
お地蔵さんの
かがやくものは
かかわりもなく
かかわりもなく
かざしに関の
かざしに関の
かたさや海の
かなしき眼玉
かへると見れば
きるきつかけに
くたびれてをり
くらがり走る
くらき柳の
くらき柳の
くりかへします
くるま座内に
こうしてこうして
こちらから見る
ごつた返しの
こってり塗るさ
ごときものより
ごとき声だす
ごとく妻ゐる
ごとく服脱ぐ
ことはまことか
この身このまま
こぼさじと抱く
こぼさじと抱く
こぼるる蕗の
こぼるる蕗の
こぼれては群れ
こぼれてをりし
こぼれてをりし
こみちは草に
こみちは草に
ころがり戻る
さかなたること
さしあたりとは
さながら動く
さみどり月夜
さわに見たりき
しきりに叩く
しづかにひらき
しなやかに行く
しまひし愛の
しんじつ白し
すぐそこといふ
すぐに転がる
すぐ窓の下
すぐ窓の下
スタンプを押す
すでに座りて
ステンドグラス
せつせと測量
せぬ竿ながめ
せぬ竿ながめ
そこのけそこのけ
そこらの草も
そこらの草も
そつと抜け出し
そのままあの世
それきり何も
たくさんの目を
たたかれてまた
ただ一色に
ただ一色に
たちまち変る
たまたま独り
ための舌出す
たらたらたらと
チェーホフを読む
つけてどこへも
つつかれおりし
つつかれおりし
つぶす過程に
ていねいに拭き
テニスの声や
テニスの声や
テレビいづこも
どこかかならず
どこも眩しく
どこも眩しく
ところがかたし
どこ吹く風か
どちらを見ても
どの本能と
どまん中です
ともしゆく燈の
ともし灯ひとつ
ともにどこかへ
トランペットは
どれも無念の
どろぼう歩き
とわにふるえて
とんとん歩く
なかなか出ない
ながめてをれば
なくて遠しや
なにかにはげみ
なほ湧き出ずる
なほ湧き出ずる
ならびてゆゝし
ならびてゆゝし
ならびて泣くに
なんだかんだと
ニュース流る々
ニュース流る々
ぬけてま白き
のぼりくる泡
ばかりが死んで
はずして広く
はずして広く
はちきれさうな
はち切れさうな
はなのごとくに
はなびらのくる
はばかりながら
ピアノの上の
ひかれて人の
ぴくりと動く
ひとりとなりて
ぴょこんとお辞儀
ひらがな覚え
ひらかぬ内が
ビルの谷間の
ビルの谷間の
ひれ伏しにけり
ふだんの心
ぶらぶら垂らし
ほむらのうしろ
まくつて見せる
まだらに立つや
まだ始まらぬ
まだ眠さうな
まだ眠さうな
まちがえて
まつすぐだから
まつる神座
までついて来し
までついて来し
マドンナ二人
まばたくたびに
まはり消えたる
まぶしき雨を
まぶしき雨を
みどりの中を
みなぎる力
みな横顔に
むかし右京の
むけばかがやく
もう寝たといふ
もつもののなし
モデル歩きに
ものの果てなる
もの流れけり
もみあげのびて
もらひますよと
やうな口なり
やうに流れて
やがてがやがや
やさしくされて
やっと眠りし
やっと眠りし
やみたる頃の
やめたく思ふ
ゆく人を見て
ゆつくりいそぐ
ゆっくり値切る
ゆびきりをして
ようなジーパン
よぎる白帆も
よぎる白帆も
よりぞろぞろと
よるもさはるも
よるもさはるも
よろづ解けゆく
らくだのごとく
わからずじまひ
わが妻のこゑ
わが小天地
わが身をくぐる
ワタクシ大事
われもはるかや
われも善女や
われより先に
をんないつまで
阿修羅とつけて
哀しきまでの
哀しみの詩語
愛の極みは
逢はずに帰る
逢ひて多忙な
飴の中から
暗算力の
以下同文と
意見の合はぬ
医師の一言
井戸の深さや
一つもなくて
一つ干しあり
一喜一憂
一喜一憂
一気に星も
一気に星も
一休みして
一休みして
一筋残る
一筋残る
一枝強く
一人前とは
一人値切れば
一寸先は
一対一の
一転二転
一動きしぬ
一年ぶりの
一番小柄
一瞥もなし
一夜にかれし
一夜にかれし
引きずつてきし
隠れて澄める
雨がふるなり
雨をふくめる
雨をへだてつ
雨をへだてつ
雨後の夕べの
雨後の夕べの
雨粒四つ
雲に根は無し
雲に根は無し
雲より上の
雲より上の
影もつくらず
影をしづめて
映し映れる
永きいちにち
英語話せる
遠ざかり行く
遠ざかり行く
押入まかせ
押入まかせ
横断歩道
横断歩道
岡にのぼれば
岡にのぼれば
沖に小さき
沖に小さき
屋根見下ろして
屋根見下ろして
音のしそうな
音を消したる
音楽の要る
下駄の歯につく
下駄の泥より
下駄軽やかに
下駄軽やかに
仮面の奥に
何から忘れて
何でも水に
何にとどまる
何の役目も
何も持たずに
何を忘れて
何処かに忘れ
嫁の手料理
歌なき妹の
歌碑の空なる
歌碑の空なる
火のうるはしさ
火の色うごく
火気厳禁の
花の夜明けの
花を咲かせて
花鬼灯に
花鬼灯に
花散り敷きて
花散り敷きて
過ぎたる耳の
過ぎてうるさき
我がまま坊主
我が家の一日
解くこと多き
解くや光陰
怪しき身なり
海あをければ
海の明るさ
海へ返して
皆どたばたと
絵本散らばり
垣外の子らを
垣外の子らを
角にすずめや
角を曲れば
額ぶつけて
鎌倉のそら
乾きかねつつ
寒さも一夜
幹を叩きて
竿軋ませて
竿軋ませて
眼下に置きて
眼下に置きて
眼鏡の力士
顔して並ぶ
顔を包めば
喜びだけを
喜び今日も
喜び今日も
机の下に
帰る教師の
帰れば燈下
汽車に必死の
祈りの長き
祈りの長き
義理とて愛の
義理に大小
客間を当てて
客間を当てて
脚よくあがる
脚垂らしつつ
脚立の人に
逆立ごっこ
休む時あり
休めばすぐに
休めば死んだ
泣き声のして
泣き声のして
牛の体重
牛は涎を
虚空をにらむ
胸まで流す
曲がりくねつて
極楽と決め
玉こそよけれ
玉の命や
玉の命や
筋引いてやる
近江の雨の
近江の人と
愚痴をこぼして
空にやすらふ
空のまん中
空より青き
空を仰ぎて
空青きまま
串こちらむけ
屑の出目金
掘れば掘るほど
兄と来てゐる
軽さにも慣れ
軽さにも慣れ
鯨が海を
欠伸のうつる
嫌な女に
犬もありつく
犬もありつく
肩を叩きて
見えて水田の
見えて水田の
見え隠れして
見え隠れして
見て来た顔の
見るにも男
見知らぬ男
見抜かれてをり
見本の墓を
鍵して開ける
鍵を袂や
言はれてをりし
言ひだしかねて
古郷の路に
古郷の路に
古葉を出づる
古葉を出づる
己れ信じる
故に猫あり
枯葦がうす
湖に入り来る
五臓六腑の
吾娘を迎へに
吾娘を迎へに
交番巡査
光放つて
光放つて
口あく吾子や
口にあふれて
口をあくれば
喉とほりゆく
喉の奥まで
喉をさらして
江戸でうまれて
江戸でうまれて
荒地の風の
荒地の風の
行きどころなき
行つて返つて
降るとも知らず
高くは飛ばず
合わせ鏡に
合わせ鏡に
合点させたる
腰たたきつつ
腰のあたりに
腰のほとりや
腰のほとりや
惚れた女も
骨を抜かれし
骨抜かれたる
今なし残る
今日のよごれの
今日作りたる
今日新たなる
些か甘き
砂にひろごる
砂丘風紋
坐つて見ても
坐つて見ても
座におく笠や
催促のなし
最初の花は
最上川恋ふ
妻が出てこぬ
妻とも知らず
妻にとられて
妻に教はる
妻のあくびに
妻の帰宅を
才能のうち
載せて出されし
雑兵ばかり
三人寄れば
傘を目深に
傘売る人の
山なつかしき
山なつかしき
山のたそがれ
山ほととぎす
山ほととぎす
山を見てゐる
山並み遠く
山並み遠く
散る寸前の
残りし町や
仕立下ろしの
姿は見えず
子が自慢なり
子に教へらる
子は待ちきれず
子は待ちきれず
子は夢の中
子は夢の中
子は夢の中
子は夢の中
子は腕の中
子は腕の中
子を横抱きに
子供はみんな
子供遊ばす
思いで新た
思いで新た
思ひきる時
思ひ返して
指深く埋め
止れる振子
紙をまるめて
歯磨きコップに
事おもひ出す
寺は桂の
寺は桂の
持たぬ倖せ
磁石の針は
耳現はるる
自由に死ねと
失へば皆
実こそ欲しけれ
実のるにまけし
実のるにまけし
写生する子や
写生する子や
者の足あと
蛇に丁々
借りて走つて
錫にかけたり
錫にかけたり
若者闊歩
弱音を吐いた
取りて打撫で
取れば近道
取れば近道
手が出てやがて
手づから活けし
手づから活けし
手に力あり
手に力あり
手もとも袖も
手をこぼれたる
手をこぼれたる
手持ぶたさの
手摺れ聖書に
手足まるめて
手抜きばかりの
首にひつかけ
首をもたげて
首を干しけり
拾ひて軽き
終えて少女の
終へてすがしき
終へてすがしき
終へて使わぬ
終りの雫
終りの雫
終日のたり
終末に入る
終末に入る
住み替はる代ぞ
十あまり咲けり
重ね伏せたる
重ね伏せたる
宿まだ明けず
宿まだ明けず
宿借る頃や
出るきつかけの
出るに出られぬ
出抜けて明けし
出抜けて明けし
出番きまらぬ
初心に還る
書き損じまた
女にほれる
女の一生
女の口を
女の風呂は
女の齢
女は持たぬ
女みな死ぬ
女をおどす
女体限界
将棋倒しの
小さき順に
小磯の小貝
小坂の土の
小坂の土の
小雀の嘴の
小声で言ひて
小粒になりぬ
少し遅れて
少し無口な
少女はいつも
松を離るる
笑ふがごとく
笑ふがごとく
笑ふ子ばかり
象の尻尾に
鐘も聞こえず
上にころがる
丈の止まりし
丈の止まりし
乗りそこねをり
乗鞍の上に
色ゆたかなる
色を飛ばして
色を変へけり
色鮮やかに
色鮮やかに
色淡くなり
色淡くなり
触ってみたき
食事つましき
寝て待つという
寝なさいと
寝る楽しみの
寝癖のままに
心なごませ
心なごませ
振り向きざまの
森の出口は
真上にありて
真上にありて
真昼の眠気
真昼の眠気
親に探せぬ
親の代より
親友ありて
身じろぎもせぬ
身にまとふもの
身にも嬉しや
身にも嬉しや
身元怪しき
進んで行くや
人あらはなる
人なき寺の
人なき寺の
人のパセリも
人の出で来し
人は脳から
人を探して
人間の皺
人顔見ゆる
人顔見ゆる
人々寄りぬ
仁王立ちなる
吹き飛ばされし
水と太陽
水にさからふ
水の重さの
水面くぼませ
水面くぼませ
世に出たがりの
瀬戸の眺めを
瀬戸の眺めを
星のおしやべり
星の雫に
生きて出でけむ
生きて出でけむ
生きるだけの幅
生きるつもりの
生まれ湯気ごと
生れたままの
生涯なれず
生涯不器用
聖者のまなこで
聖者の顔して
声の小さき
青空に風
石のゆらめき
石拾う浜
石拾う浜
赤信号で
跡を残して
跡を残して
折り目すがしき
折り目すがしき
折り目残りし
折り目残りし
雪より白き
雪より白き
舌焼く宵の
先に乗りこむ
戦争好きや
薦めのワイン
閃めきのふと
前に跳ぶこと
前も後も
祖母が夢中に
巣立鴉や
巣立鴉や
相席をして
相槌うたれ
草に埋もれて
草に埋もれて
草の匂ひの
草の匂ひの
草食む牛の
草食む牛の
草深くても
走りにげたり
息が詰まると
息しづかにて
息子が箱に
息子に電話
息潜めたる
息潜めたる
足がしびれて
足の短き
足をはこべば
太刀の銘きる
太刀の銘きる
太平洋を
打つて出るべく
耐えた数だけ
袋をさげて
袋叩に
貸すには惜しき
大きくしたる
大の字が好き
大の男や
大漁疲れ
大漁疲れ
大口あけて
大事なる日や
大人の部分
大浴場に
大時計に似た
誰が乗り捨て
誰の前にも
誰もが持てる
誰もひとりの
誰も人より
短かきがよし
短き夜を
短き夜を
男ときどき
男のよき名
男のよき名
男ばかりが
男ばかりの
男は無口
男泣きする
男子はこれを
男子はこれを
知つてをるなり
知られたくなく
知るや知らずや
知るや知らずや
地につき童女
地に墜ちやすき
地の塩なれや
地獄の釜の
地獄は見せず
池を育てて
池を育てて
池中を歩む
置いてけぼりに
置かぬ贅沢
竹の血にじむ
竹一幹の
茶俵作る
茶俵作る
着る勇気なき
昼はたのしき
潮引く音や
潮引く音や
蝶に知らせん
蝶に知らせん
長き訓示に
長江濁る
沈黙といふ
椎樫の空
通る娘に
辻を曲がれば
辻を曲がれば
爪立てて剥く
釣り落したる
低きにほひや
低きにほひや
堤長うして
庭を貫く
庭を貫く
弟らしく
泥が好きなる
泥のつきをり
泥のひかりの
摘みしれんげは
敵ことごとく
敵意をとうに
天ぞ垂れたり
天下御免の
天守を置いて
天守を置いて
点にみまごう
点にみまごう
伝言貼りし
田より抜きたる
電子レンジに
電子レンジに
電話に話す
土の匂いを
土の匂いを
土よろこんで
土産できたる
東海大学
東海大学
東京大学
湯になるやうな
灯とぼす関や
闘志いだきて
働くに似て
動物園の
同じ目となり
同じ薬を
同時に欠伸
瞳のやはらかき
独り占めする
呑気な顔で
奈良には古き
二重に復活
二重人格
二条わたりの
二条わたりの
二束三文
二度も三度も
二度目のベルは
二羽の歌垣
匂う闇あり
匂う闇あり
匂ひ吹きみつ
匂ひ吹きみつ
日はいつまでも
日をもちながら
日をもちながら
日課となりぬ
日課となりぬ
日出でゝ霞む
日出でゝ霞む
日照雨ふる
日照雨ふる
乳房大きく
入り日涼しき
入り日涼しき
入る透明な
入江のぽんぽん
如く動きて
如く流れて
如く流れて
猫が先づ木に
猫にものいふ
猫にも一寸
猫も立ちけり
熱くなりゆく
念仏を聞く
念仏を聞く
濃きも淡きも
覗くつもりの
背後に誰か
背中ほす日や
背中ほす日や
白きうなじの
白きうなじの
白し夜なかの
白し夜なかの
白のはじめの
白を気負わず
白を気負わず
薄き光の
箱いつぱいに
箱の中にも
髪切りにゆく
抜き差しならぬ
抜け出たままの
反物のまま
晩酌の量
晩酌の量
秘めて掃かれし
飛び越してゆく
尾の残りたる
美女にも似たり
美女にも似たり
美女の名前を
美女の名前を
鼻たれ餓鬼の
鼻たれ餓鬼の
鼻まだ寒し
膝やはらかく
必ず画く子
氷の僧の
浜に引き上げ
浜に引き上げ
浜今はなく
浜今はなく
貧乏虫を
不幸をすこし
夫と異なる
夫なきあと
夫なき家に
父と子の眉
武者震いして
舞をさめたり
部下を呼び付け
風がぐるぐる
風が耳吹く
風に流され
風に流され
風を翼に
腹の虫鳴く
沸点にゐて
仏と見えもす
仏と見えもす
噴きこぼれては
粉々として
粉々として
聞かれてしまふ
聞きつ留守の
聞きつ留守の
聞けば敷くなり
平均台の
平凡赦す
平和呆けなり
並び泳げる
並び泳げる
米こぼれをり
片仮名ばかり
鞭しなやかに
暮るる遅さよ
母なき宿ぞ
母なき宿ぞ
包丁を研ぐ
峯に達して
抱きぐせのつき
抱へし歌手の
飽きられ夫の
傍目もふらず
帽子の箱や
帽子の箱や
墨芳しき
朴の広葉は
朴の広葉は
盆に奉捨を
盆に奉捨を
枕かかへて
万有引力
未明にのぼる
未明にのぼる
未来のことや
無いから身軽
無心に遊ぶ
名もなき山の
名残りとどめて
名残りとどめて
明日こそといふ
迷惑さうな
鳴きては止みぬ
蒙古高原
目をつぶる猫
目覚めし部屋の
目覚めし部屋の
目指す札所は
目指す札所は
問答させて
夜あそび覚え
夜の音となり
夜空に消ゆる
夜空に消ゆる
夜更けし部屋の
夜更けし部屋の
野に声残る
野に声残る
野は照りながら
野川流るる
野点の娘も
約束違ふ
薬飲みけり
癒す激辛
優柔不断
有るとも言へず
遊びさかりの
遊びのこして
遊びの時間
郵便切手
夕月はあり
揺りやみしかば
葉ばかりとなり
要領よくて
欲ものぞかせ
裸しみじみ
裸といへる
来いと友から
来いと友から
来てすぐ帰る
来て人を刺す
来るぞ来るぞと
落ちさうな水
乱高下して
乱高下して
乱闘現場
裏はるかなる
裏はるかなる
裏へまわれば
里は何をか
陸こそよけれ
陸を思えり
立ちはだかるは
立つまでの間の
立つ空きびんに
立つ空きびんに
流れ果てなく
流れ果てなく
留守の時計や
旅のプランの
旅のプランの
旅の支度や
旅の支度や
旅の鴉に
旅人労(つか)れて
旅人労(つか)れて
涼しくおわす
涼しくおわす
良き事ばかり
力を誰に
力を誰に
力士こつそり
力無き手や
力無き手や
隣あくびの
隣は何を
列の乱るる
恋ざかりなる
恋仇あり
恋告げられて
路地の縄跳び
廊下に暗き
老いたる犬と
老いたる犬と
老いては妻の
老いむと願ひ
老て上手に
老舗に並ぶ
話はずめる
話はずめる
話は尽きて
帷子軽し
帷子軽し
拗ねてみ空を
鬱然として
鬱然として
磴の空より
磴の空より
穢れなき身を
訛がありて
軋み軋める
軋み軋める
閻魔に供え
麒麟の首の
神に尻向け
羽音だけの
羽音だけの
飯くふ夜の
飯炊きあがる
時の重たき
時の貧しく
時の貧しく
時は腹へる
時計が動く
時計廻りに






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