を・じょし/を・助詞【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】




群青と青のはざまを遍路たち   一人

拙句を例に「を」の用法を考えてみましょう。群青は海。青は空ですから海と空の出会うところを白装束の遍路たちが歩んでいる、そんな景が立ち上がります。原句のままですと、はざまを移動している感じが強く出ます。「を」は空間の広がりを表す助詞だからです。仮に「はざまの」であったらどうでしょう。遍路たちは歩まずそこにとどまっています。「はざまに」ですと まず「はざま」という場所が見え、しかるのちに遍路の姿が現れます。助詞を使う際には必ずいくつかあてはめてみて、最善のものを選ぶ必要があります。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html






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