たさくたしゃ・多作多捨【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】

俳句の初心者から中級者に進むためには一万句作ることが必要と言われます。

では、どのくらいの期間で作るのかというと人によって違います。たとえば毎日10句ずつ作ると一年で3600句。3年で初心者を脱することができます。一日一句では中級に進むまでに30年。これはちょっと長すぎます。いつまでに中級へと、自分なりの目標をたて、それに応じて作る句の数を決めるのがよいと思います。

多作多捨は俳句の上達法として名高いことば。沢山作って沢山捨てるという意味です。多く作ることで、自分の俳句の癖がわかります。例えば「かな」の句ばかり作っているとか、好きな季語ばかり使っているとか。句集を編むときには、なるべく色々な季語を使い、形式も多様であることが求められます。まだまだ句集なんて、と言わないで準備しておくことが大切です。

ところで作るよりも難しいのが捨てること。自分の作品には愛着がありますから、我が子を可愛がるように、欠点のある句を愛してしまいます。自作を客観的に見なければ捨てられません。そのために一定期間抽斗にしまっておくことをお勧めします。出来上がったばかりの自作は捨てられませんが、一年前に作った句なら他人の作品のように客観視することが可能です。一年置いておくのが無理でも最低三日くらいは。作ったばかりの句を句会に出すのは、ちょっと待ってください。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html

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