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大谷句仏の俳句一覧
春
未分類
- 散る時が浮かむ時なる蓮かな
- 極楽の近道ここか曼珠沙華
- 寺見えて薫風鐘の谺かな
- いづこより我呼ぶ声ぞ秋の春
- 足ることを知りてぞ我も蕎麦湯哉
- 念佛すれば報恩講の鐘が鳴る
- 合掌の氷る水晶の念珠かな
- 秋悲し法聞く人も説く我も
- 聞法のうろ分かりして春暮れぬ
- 勿体なや祖師は紙衣の九十年
- 笑顔して浄土へ眠る永き日を
- 世の波を知らで逝く汝よ春の海
- 仏燈も涙含む眼におぼろなる
- 思い出ては又泣く春の寒さかな
- 露月山人が愛嬢を亡はれたりと
- 念佛して火桶に落とす涙かな
- 身に入みて法聞く人や雨の暮
- 覚悟して逝く人うれし百合薫る
- 名聞なき念佛に籠る年の朝
- 婿殿も集ふ雑煮の三日かな
- 人の世の歩みはと問われて
- 信心の外に世はなき涼しさよ
- 常観御房が坊守の母を悼む
- 身も共に浄土に遊ぶ小春かな
- 弥陀仏とともに在るなり麗に
- 夜寒さを報恩念佛堂に満つ
- 初空や法身の弥陀に合掌す
- 煩悩の我は蚊を打つ男かな
- 俳句二河白道を行く涼しさよ
- 長き夜を弥陀頼む身の置所
- 念佛しては蒲団の中に合掌す
- 除夜の鐘に念佛もやがて夢に入る
- 煩悩の篝繫縛の鵜縄かな
- 浄土にて又逢ふまでの夜長かな
- 今宵死ぬ人もやあらん花衣
- なつかしき弥陀の膝下に春日さす
- 除夜の鐘心に念佛称へ居る
- 祖恩無辺泣く泣く遠忌果つるなり
- 佛名に起きて涼しき旦かな
- 大年を生きて報謝の念佛かな
- 法談の腹案を練る夜長かな
- 門松に雀の止まる雪の朝
- 内陣に逆うつる燈や遠蛙
- 無明長夜の一燈貧の信より
- 今年亦生きし歓喜を御講果
- 娑婆の縁尽きず除夜に入る称名裡
- 初詣新堂の木香も目出度さよ
- 人の世は無常が常よ落椿
- 苦の舊裡浄土へ旅出涼しかろ
- 佛の声にかくれて年の暮
- 萬感の夢に消えゆく除夜の鐘
- 露の余命あらば又逢ふ念佛せよ
- 名号を旅に書く夜や虫の音
- 残る我寒し浄土へ足早に
- 元旦の犬も尾を振る御慶かな
- 罪業未尽今年報謝に生きんかな
大谷句仏 プロフィール
大谷 光演(おおたに こうえん、1875年(明治8年)2月27日 - 1943年(昭和18年)2月6日)