空渡れよと破魔弓を授かりぬ 恩田侑布子「夢洗ひ(2016)角川書店」 弓矢は神話によく登場します。例えばインド神話の「サルンガ」。太陽神の持つ弓矢で矢には翼があり、その先端は光と炎で出来ています。北欧神話の「ミストルテイン」オーディンの息子の命を奪ったヤドリギの矢です。日本神話の「天乃麻迦古弓(あまのまかこゆみ)」...
俳句の作り方
俳句の作り方の記事一覧
元日や常のごとくに人を焼き 片山由美子「飛英(2019)角川書店」 「インド十句」と前書きのある一句。あとがきに次のように記されています。「インドでは、ガンジス川で沐浴する人々の近くで荼毘の煙が上がっている。それが日常であるが、その川に舟を浮かべ、初日の出を待った。私のなかでは漠然と、死は生の終りにあるものだったが、...
くろかみのうねりをひろふかるたかな 恩田侑布子「夢洗ひ(2016)角川書店」 くろかみのうねりとは、歌留多の図柄でしょうか。百人一首には詠み人の肖像が描かれていて、紫式部、清少納言、和泉式部など女性の歌人は黒髪をうねらせています。歌留多を取るのではなく、黒髪のうねりを拾う。このレトリックが秀逸。うねりという言葉のおかげ...
鏡餠置けさうに凪ぎ渡るなり 今瀬剛一「甚六(2020)本阿弥書店」 鏡餠をどこに置くというのでしょうか。凪渡る、ですから海。しかし浜には波が寄せていますし、湾内は潮目が入り乱れています。ですから沖の風景ではないかと思うのです。例えば黒潮の境は波立ちますが、大きな流れの真ん中に入ってしまえば驚くほど静かなひと日があります...
行く用があって恵方ということに 池田澄子「此処(2020)朔出版」 歳徳神の来訪するめでたい道が、その年の恵方。その方角にある神社や寺に詣で福を授かります。これが恵方の本意。ところが、この句では「私が行く方が恵方」とあっけらかんと宣言しています。もしも外国の人にこの句の意味を問われたら、きっと説明するのが難しいでしょ...
ア行 エ えすごろく「絵双六(新年)」 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/809 えほう「恵方(新年)」 https://jhaiku.com/haikudaigaku/archives/814 オ おさがり「お降り(新年)」 https://jhaiku.com/hai...
見えてゐて京都が遠し絵双六 西村麒麟「鴨(2017)文學の森」 句集「鴨」の巻頭を飾る句です。今回キゴサーチを執筆するにあたり、沢山の句集を読みました。気づいたことは新年の句で始まる句集は少ないということ。季節順に並べるのなら新年から始まりそうなものですが、少ないということは、ずばり難しいから避けているのか? 自分自...
伊藤園お~いお茶新俳句大賞とは? 伊藤園のお~いお茶は、緑茶飲料のパイオニアとして1989年に発売されました。 このお茶は、俳句がペットボトルや缶に載っています。 このような俳句を公募する伊藤園お~いお茶新俳句大賞が日本一の応募総数の俳句コンテストであることは、案外と知られていません。 ここでは、伊藤園お~いお茶新俳句...
金子兜太とは? ここでは、金子兜太についてご紹介します。 金子兜太の誕生 金子兜太の誕生は、第1次世界対戦が始まった1919年9月23日です。 母親の実家の埼玉県比企郡小川町で誕生しました。 父親の金子元春は、地域医療に開業医として従事しながら、俳号が伊昔紅という俳人でもありました。 また、秩父音頭の歌詞を改定するため...
正岡子規とは? 正岡子規は、松山藩(現在の愛媛県)の下級藩士の長男として1867年に生まれました。 身体が子供の頃から弱く、内向的な性格でいじめられていたといわれています。 また、司馬遼太郎の代表的な作品の「坂の上の雲」の主人公の秋山真之とは、親友であり中学校の同級生でした。 正岡子規は、父親が4歳の頃に亡くなくなった...
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