しきさい・色彩【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】




俳句を言葉で描く絵画と考えることが出来ます。デッサンに相当するのが写生。もののかたちを写し取ります。しかし、絵画は色を持っています。色を主体に俳句を作ってみるのも楽しい経験です。

冷房の下着売場の白世界   草間時彦

今の下着はカラフルですが、ひと昔前の下着は白一色でした。掲句はデパートの景でしょう。エレベーターが止まりドアがあいた瞬間、白一色の下着売り場が目に飛び込んできました。よく効いた冷房が一層涼しく感じられたことでしょう。絵に描くとすれば白、白、白。白世界という造語が雪を現す銀世界を連想させて、清涼感が倍増します。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html






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