ねっとくかい・ネット句会【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】




コロナで外出自粛が続く中、句会も中止が続いています。そこで注目を集めているのがネット句会。感染の危険を冒しながら満員電車に乗ったり、狭い会場に集ったりする必要がありません。ネット句会といえば以前は、メールを利用して投句や選句を行っていて、幹事の負担は相当なものでした。最近のものはシステムが整備されていて、驚くほど便利。私もそのひとつ「夏雲」を体験してみました。

「夏雲」にまずアクセスして新規句会を申し込みます。数日して、アカウントとパスワードが送られてきました。これらを使って句会名と参加者の俳号を登録し、投句と選句の締め切りを決めます。投句数と選句数は自由に決めることが出来るので とりあえず5句出し、特選1並選4としました。兼題を自由記述欄に書き込み、「これから始めますよ」と参加者にメールしました。準備はこれだけ。あとはシステムが勝手にやってくれます。

締め切りまでは何度でも投句を差し替えたり書き直したりできます。これはなかなか優れていると感じました。私は欲張りで未練たっぷりな性格。投句のあらが見えてきて、直したくなってしまうので大変ありがたい。締切までじっくりと悩むことが出来ます。

投句の締め切りがくると、システムが勝手に選句へ進めてくれます。幹事の私にも、誰がどの句を投稿したかわかりません。ここもよく考えられていて、選をするスリルを損ないません。

選句には選評を書き込むことが出来、締め切りが来ると自動的に点盛りと選評が公開されます。結果は作者別でも得点順でも表示でき、印刷用のフォーマットまで用意されています。

足りないものがあるとしたら、句会後の飲み会くらいですが、これは今のご時世ですから願っても無理。あ、そうそう。これだけのシステムを使って使用料はゼロ。全く無料で利用できるんです。コロナ時代を乗り切るネット句会、あなたも試してみてはいかがですか。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html






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