- 猫舌もくふあつ物やねずみたけ
- 夜光る玉もしかめやあられざけ
- いままいりはじめははつかだんごかな
- 棚をかざる松の葉越しや若戎
- 雲のうへの白馬や七のほしあしげ
- かづく綿は踏哥のせちにさりやう哉
- 書初や万歳の点をうち祝
- 歌学せば上達しめよ和哥ゑびす
- 薄氷をふみぬく春の日あし哉
- 腰をふる門の柳やかぶきもの
- 一僕とぼくぼくありく花見哉
- 地主からは木の間の花の都哉
- 暮れてゆく春やかすみの関やぶり
- 音をみみに夏断さするか子規
- 名乗りけり大をんじやうしほととぎす
- 高野山谷のほたるもひじり哉
- 女郎花たとへばあはの内侍かな
- さびしさのをさなそだちやけさの秋
- まざまざといますが如し魂祭
- 雁は文字おほふや霧の韻塞
- うるし色ににせてぬるでの紅葉哉
- おくやまはけふこえて見るいろは哉
- 尻もちをつきてよろこぶしはす哉
- すすはきは年くれ竹のははき哉
- 年の内に踏みこむ春の日脚かな
北村季吟 プロフィール
北村 季吟(きたむら きぎん、寛永元年12月11日(1625年1月19日) - 宝永2年6月15日(1705年8月4日))