みだしきご・見出し季語【超初心者向け俳句百科ハイクロペディア/蜂谷一人】




季語に強弱があるというと驚かれるかもしれませんね。歳時記を開くと季語が見出しとなっています。

例えば「梅雨(つゆ)」の項にはまず 梅雨(つゆ)とあり続いて 梅雨(ばいう) 黴雨(ばいう) 荒梅雨 男梅雨 長梅雨 梅雨湿り 走り梅雨 迎へ梅雨 送り梅雨 戻り梅雨 青梅雨 梅雨の月 梅雨の星 梅雨雲 梅雨の雷 梅雨曇り 梅雨夕焼 と出ています。

この最初に書かれている梅雨(つゆ)を見出し季語といいます。続く言葉は 傍題とか 副季語と呼ばれます。梅雨に関連した季語のうちで最も強いのが見出しの梅雨(つゆ)。下に並ぶ季語はパワーは少々落ちるとされます。上五に置いて や切り する場合、傍題ではなく見出しの季語を用いるのが原則という俳人もいらっしゃるので、一応指摘しておきます。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html






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