目次
俳句 カ
<上・か>
カーテンの
カーテンを
かがみもち
かがやきの
かきごおり
かきの実が
かきの木に
かき祭り
かくれゐる
かくれんぼ
かくれんぼう
かけ足が
かごの中
かさかさと
かざはなが
カシオペア
かじかんだ
かしましく
かずかずの
がたがたに
かたくりこ
かたつむり
かたまりて
かたむきし
かたわきに
かつかつと
がつくりと
がつしりと
かなしみを
カニ完売
かばかりの
かはたれの
カバンまで
カフェオレの
カプセルの
かぶとむし
カブトムシ
かぶと虫
かまきりが
かみがたを
かみさまが
からからと
がらがらと
ガラス越し
からびたる
カラフルな
かりそめに
かり綴の
かるたとり
かるた会
カレンダー
カンテラを
がんばった
烏瓜
影踏みに
夏期休暇
家計簿に
家族やもん
家族増え
果樹園や
河べりに
蚊遣火の
画用紙に
画用紙の
介護服
会葬の
解雇され
回想の
回廊の
怪獣の
戒壇を
改札を
海パンを
海水浴
海底に
貝がらと
貝殻に
外国の
崖肌に
街よする
街燈に
街道の
街路樹に
街路樹の
街路樹の
垣なせる
垣根まで
柿すだれ
柿の種
郭公や
閣上の
学校に
学校の
学問に
学寮も
掛軸に
喝采に
釜鳴りの
鎌鼬
刈り残す
寒牡
寒稽古
寒月や
寒梅に
寒林や
看病の
眼科医は
眼前の
願かけし
帰り道
帰り来て
帰るなり
帰る子に
帰ろうか
鏡では
鏡もち
鏡見て
空っぽの
欠けてゆく
肩に来し
肩車
鍵の手に
元旦に
元旦の
元朝に
限りなき
枯野来て
語り居て
甲板に
合唱の
合掌の
傘さして
傘さして
飼い主を
飼犬の
重ね着で
書き初めで
書き初めの
書き溜めた
書初に
硝子戸の
硝子瓶
神無月
神様が
神様も
川くねり
川づらに
川遠く
川音に
川下や
川筋は
川杭や
川尻の
川中に
川底に
川添ひの
掻きよせて
剃刀の
頭文字
買物の
髪の毛が
髪を切り
髪切って
髪染めて
悲しいな
悲しみは
皮をむく
風いでて
風が吹く
風だけが
風にのる
風に透く
風に浮き
風の中
風はやし
風までも
風わたる
風止みて
風邪の子の
風吹いて
壁にさす
壁の錆
片隅で
片言に
片身にて
片想い
片側は
片付けて
片頬は
返り花
母さんの
傍に
門に呼ぶ
門松を
窯出しの
厠の灯
厠出て
瘡蓋が
蝸牛
かの虚空
<中・か>
カーブミラーの
かがやき過ぎし
かがやき暮るる
かかりて消ゆる
かかると見しが
カキンカキンと
かくるるほどの
かげあそびして
かけつらねたる
かげのうつるれ
かげより出でし
かけ余したる
カゴはトンボの
かざしてうすき
かさなりすすむ
カジって欠けた
かすかににおう
カステラ厚く
かすめし影や
かたぐるまして
かたちに両手
かたっぽだけの
かたへの人の
かたまり生きて
かたむき合ふて
かたむき沈み
かたりと動く
かたんと下りし
かはりし人と
かぶさつて来る
かぶさり飛べる
かみなり落ちて
かもめ一羽から
からからに残る
ガラス細工の
からの校舎に
カルタの前に
かれ葉のように
かわいいかさが
かわのなかで
かんでもらおう
がんばりすぎない
案山子人口
隠してしまう
隠れてゐるや
隠れ上手の
影あつめたる
影あればある
影うすうすと
影しみしみと
影そそくさと
影つくる葉や
影なら君に
影の深さや
影の太さよ
影の如くに
影みちづれに
影を並べて
影曳き落ちぬ
影河にある
影降る如く
影生れたる
影折れちぢむ
影動きゐる
影濃き道と
影濃く過ぎつ
化して少年
可愛い足音
可愛い帽子
可愛ゆきものよ
家計の事情
家計圧迫
家族そろって
家族のように
家族みんなが
花鳥風月
貨車のこだまや
過去が聞える
過去と未来の
霞のような
賀状の端で
会話の数だけ
蟹が横這い
崖の雫や
垣を繕ふ
覚悟を決める
角を合わせて
楽器に映る
活気に水さす
刈ればあかるし
乾かんとして
乾きかけたる
乾ける土間や
感じ再び
漢字一字で
缶コーヒーは
頑固おやじの
顔にあつまる
顔にしぶきや
顔に日さしぬ
顔に飛び付く
顔のうつれる
顔の小さき
顔の揃ひて
顔を見るたび
顔一ぱいに
顔押しつけて
顔出したる
顔出す母の
顔赤らめて
顔覗きあふ
帰らぬ君は
帰る車内は
鏡の前の
鏡の中を
金持の子を
駆けてきた母の
駆け込むわが子
傾き移る
形ちがって
軽き寝息や
欠けたら君に
肩から香る
肩から服が
肩に被りし
肩のあたりの
肩の細りや
肩を叩いて
肩越えゆきし
枯れ葉のプールで
枯野の中の
語りかけてる
考えてゐる
考える人の
香にたつ上の
香にふれし夜の
香のほのかなり
香りがするよ
香りを繋ぐ
傘に遊べり
傘の雫や
傘の水滴
傘の中なる
傘もささずに
傘を抱えて
紙ヒコーキの
紙仕度して
狩人の血よ
重なりやすき
重なり下りる
重なり落つる
重ねて描く
重ねるごとに
重ね描いて
勝つまでやめない
硝子のこちら
鐘の響や
鐘の数より
飾り雛様
神に会うのに
神はどんなこと
数える十が
数でもめてる
数へながらに
数をつくして
川かがやける
川に映るや
川のぼりゆく
川の広さや
川の字に寝る
川の真中の
川を挟みて
川長々と
川波立てる
代る代るに
通ひなれたる
買った指輪で
買って諭吉が
買ふ冬晴れの
髪ふりわけつ
彼とのデートは
彼に伝えて
微かな熱を
必ず言われる
必ず当たる
風あるらしき
風がふいたら
風が吹いたら
風ききすます
風つのり来し
風と一緒に
風と授業が
風と白馬の
風にもまるる
風に後れて
風に乗り来し
風に数多の
風に追はるる
風の奏でる
風の中なる
風の中ゆく
風の匂いで
風の来ている
風ばかりなる
風を受けたる
風を占う
風吹きすさぶ
風吹くあたり
風切る音は
風来る窓に
聞こえてきそうな
聞こえてくるよ
聞こえぬふりの
壁に影して
壁に吸はるる
変えた理由が
変えて飾りし
片くらがりの
片づけるよと
片手で開脚
片手に持って
片側だけの
片道切符の
片曇りする
片頬に燃ゆる
返した本の
絡みほどけて
篝火草に
かぜふきのそら
からりと空の
<下・か>
カープ勝つ
かえてゆく
かえらない
かかげたり
かかはらず
かがみもち
かがやくよ
かがよへる
かかり船
かきけされ
かき氷
かき鳴らす
かぐや姫
かくれがち
かくれつつ
かくれてる
かくれんぼ
がけっぷち
かけぬける
かける声
かけ下りし
かこまれて
かこみつつ
かざしくる
かざってる
かさになる
かしづきぬ
かぜがふく
かぞへゆく
かたすみに
かたつむり
かたむける
かなしさよ
かなしそう
かなたより
かばかりに
かぶってる
かぶと虫
かへりみる
かへり見し
かまどの火
カメラ人
カメ脱走
かもしれぬ
カモ泳ぐ
かも知れぬ
からからに
からすうり
カラスくる
ガラス玉
ガラス棒
からだ張る
からみつく
カレンダー
カンガルー
哀しくて
囲んでる
畏まる
隠し味
隠れてる
影つくる
影のびて
影よぎり
影をひく
影移る
影一つ
影伸びて
影動く
影法師
影法師
仮分数
可愛さよ
可能性
家系なり
家族あり
家族の輪
河川敷
火事ですよ
菓子ケース
我慢する
画家がでた
会話かな
解体車
快復し
皆勤賞
開催だ
外国人
蛙鳴く
垣の外
垣間見ぬ
柿たわわ
核家族
核心へ
学げい会
学芸会
学舎見ゆ
学寮よ
楽器店
笠の紐
活字組む
滑走路
乾きをり
乾く夜
寒げい古
寒桜
寒椿
寒卵
感じつつ
感じてる
感じとる
感謝の日
監督さん
観世音
観世流
還らざる
還り来ぬ
顔きびし
顔つくる
顔の影
顔ばかり
帰りけり
帰り道
鏡だな
鏡餅
金下ろす
駆けあがり
駈け下りる
傾きぬ
桂浜
軽はずみ
欠けてゆく
肩に乗せ
鍵の穴
鍵を掌に
固くなる
枯野かな
語りをる
語り出す
考える
紙一重
紙芝居
重なりて
重ねたり
重ねつつ
重ねみる
書いたみたい
書いている
書いてから
書いてみる
書きとめる
書き消して
硝子越し
鐘をうつ
飾りたる
飾りつけ
神だのみ
数知れず
川に見ゆ
川原石
川向ひ
川渡る
舵をとる
通ひみち
買いに行く
買うお菓子
買ひに出て
買ひ置きぬ
髪を結ふ
髪束ね
彼を待つ
描きつづる
描き込んだ
風ありぬ
風が撫づ
風たまに
風となる
風ながら
風になる
風に聞け
風のよう
風の吹く
風の声
風の木々
風わたる
風を待ち
風移り
風薫る
風光る
風変り
風立ちぬ
壁立てり
変るなり
片ながれ
片思い
片日影
耀きぬ
籠の影
籠の中
蝸牛
俳句 キ
<上・き>
ぎこちなき
きざみこむ
きさらぎの
ギター弾く
きたかぜが
きた風が
ぎつと鳴る
きばみたい
キミとボク
きやきやと
キャラメルを
きゅうりの芽
キラキラと
きらきらと
きらめきて
きれいな字
きれぎれの
ぎんなんを
黄に光る
黄に染めて
寄宿舎で
机上なる
帰省して
気がつけば
気づかない
気のゆるみ
気の早い
気休めと
汽車に寝て
季の移り
紀ノ川に
記念日の
騎馬戦の
義歯入れて
客とめて
休刊に
球場が
旧街道
牛乳の
強風に
教科書が
教科書の
教科書を
教材の
教室の
教室は
鏡台の
禁断の
金魚さん
金魚すくい
金魚たち
金魚より
金魚鉢
金星が
金髪を
銀杏の
銀杏を
銀行の
銀色の
銀盤の
君と見た
君のつく
君の名は
君想う
君恋し
今日までの
今日も来て
昨日より
昨日来た
樹の空に
樹の中に
樹雫に
傷つけば
消えがての
消えである
消えてくと
消え消えて
切られても
切りすぎた
切り貼りの
切株の
着ぐるみの
北国に
北庭の
北風が
北風に
北風の
北風や
北風小僧
霧島の
木に犬を
木の椅子に
木の下に
木の実落つ
木も草も
木ゆらぎの
木移りに
木雫に
木々いつか
木々の間を
木々は皆
木々を見て
来て見れば
来合はせて
虚空かな
虚空には
<中・き>
ぎざぎざしてる
きっとみんなが
きのふとなりし
きまぐれな風
きまぐれ風や
キャンドルサービス
キャンプの一日
ぎゅっと凝縮
きょくをきくと
キラキラ映る
きらめきそめし
キラリキラリと
きれいな色の
きれいにすると
きれいにそろった
黄煙を吐く
岸へ岸へと
岸をはなれし
喜寿の名越を
基地が見える
希望をたくす
机上にひとつ
期せざりし身に
機嫌が分かる
帰宅時間を
気にするぼくは
気の病やみ
気まづく居しが
気分で雪へ
汽車見送りて
汽笛の鳴りし
季節の中で
季節歩いて
記ねんにさくら
記憶ただあり
記憶の糸が
客となり居る
客に囲まれ
客相対す
客待ち顔の
牛乳が来て
虚空に放ち
魚眼レンズ
競ひ行きしが
教師が夢中
教室になる
教室を走る
教室君と
禁句の多い
金に輝く
金魚が心配
金魚に名前は
銀と光れる
銀のナイフを
銀の指輪に
銀河の果ての
銀河をけって
銀河を舞って
銀河系から
君にも一つ
君に着くため
君のポニーテール
君のマフラー
君の笑顔と
君の瞳は
君の背中は
君はUFO
君はキャラメル
君へと届け
君への想いは
君をそこから
決まったものの
決まるジャンケン
決めて団子や
今日だけわたしも
今日はあなたが
今日もどこかで
今日も来いよと
今日切たての
昨日も見たな
消えてしまひし
切られし山茶花
切り出す前に
切り裂き響け
切れない縁を
着ぶくれてゆく
伐り倒しけり
聞ゆる方へ
北風小僧が
北風小僧と
木にもたれゐて
木の歌声を
木の実の国へ
木の葉のように
木々が会話を
木々の梢の
来ては照らすよ
来てゐるという
来て交り飛ぶ
来り遊べる
きのふの空の
虚空さまよふ
虚空の下で
虚空の中へ
<下・き>
きかないで
きざむ音
きそひたる
ギター弾く
キタキツネ
きてあそぶ
きのふけふ
キミとボク
キミのもの
きみの嘘
きめた春
キューピット
きらびやか
きんぎょさん
黄に染むる
岸高し
奇応丸
帰郷かな
気を拾う
気持ちかな
気付いた冬
気泡見ゆ
汽車で過ぐ
汽車の影
汽笛かな
季節かな
紀行文
記憶にて
記念館
客が来る
客とをり
客少な
休憩所
休耕田
給水車
給付金
旧砲台
距離くらい
漁夫の顔
魚板鳴る
京の町
競走中
共和国
境界線
鏡中に
金メダル
金閣寺
金魚かな
金木犀
君が好き
君のせい
君のよう
君の色
君の癖
君を待つ
君想う
君来たり
決めている
狐雨
狐色
効きめあり
今日の月
今日の自分
今日の母
今日も見つ
樹々の風
傷心
消えていく
消えやらず
消え去った
勢かな
切ってをり
切りにけり
切り捨てる
切り落とす
切符買う
着替えする
聴きに行こう
聞いている
聞いてみる
聞こえたよ
聞こえてきそう
聞こえるよ
北の果
木に吊す
木に吊られ
木のすがた
木の根ほり
木の扉
来しごとく
来し猫よ
来て学ぶ
来て待てる
軋む音
俳句 ク
<上・く>
クーラーの
クシャミして
くじらぐも
くたびれて
クッキーと
くつくつと
くどくどと
クモの家
くらくなり
ぐらぐらと
グランドの
クリスマス
くるくると
クレパスの
クレヨンを
くわらくわらと
ぐんぐんと
暗がりの
暗きより
暗闇の
雲しきり
雲もなき
雲影や
雲間から
雲切れて
雲切れや
雲早き
雲来り
句会後の
句碑立ちて
空港の
偶然の
櫛の歯の
靴とばし
靴ひもと
靴ひもを
靴先に
群青が
口あいて
口あけた
口あけて
口ずさむ
口中に
口癖を
国訛り
黒々と
黒豆を
黒猫も
昏れてなほ
首をふる
唇や
草の実を
草むしり
草むらに
草野球
釘曲げて
曇る日の
曇日の
暮るるまで
暮るる樹々
暮れかけの
暮れそめて
暮れ雲の
暮れ残る
暮れ色の
崩れては
薬より
薬指
空間に
空中の
<中・く>
くぐりくぐりて
くしゃみ一発
くすぐりがえし
クスリと笑う
くちびるまるで
くつがへしたる
くつがへりたる
ぐっすりねてる
くづれかけたる
くよくよするなと
くらきによるや
くらきに唄ひ
クラスも木々も
クリックひとつ
くるくる上る
くるぞとさけぶ
くるなと願う
ぐるりに雨の
くわつと明るき
ぐんぐん縮む
ぐんぐん飛べる
暗きにつづく
暗きに音し
暗き山路や
雲おちつかぬ
雲が魚で
雲にのこりし
雲に棹さし
雲のゆききの
雲の一つや
雲の去来や
雲の形に
雲の光りや
雲の白さや
雲は空行く
雲ひっかかる
雲も従ふ
雲をこぼるる
雲をまともや
雲を招いて
雲一つなき
雲多き夜の
朽つるに任す
狂ひしままに
句帳を覗き
空気をさいて
空気を抜けば
靴の踵を
熊に注意の
熊のねごとが
軍手真白く
鯨の雲が
口に含ます
口の動きや
口一ぱいに
口開きをる
紅の空に
黒に戻して
首に春風
首筋かゆし
食って味わう
草にまぎるる
草にまじりて
草に下りしは
草に沈みて
草に投げたる
草の上行く
草の中なる
草をはんでる
草間に見えて
草餅春の
曇る時あり
暮らしてゐるや
暮れて雨降る
崩れかかるや
暗い空から
空中都市の
空中の鈴
空中の窓
<下・く>
くい残る
くぐり入る
くさぐさを
くひこぼし
ぐらつかす
クリスマス
くるまれたい
くる寒さ
くれた春
クローバー
暗うしぬ
暗くなる
暗くなる
雲の下
雲の中
雲往来
雲間より
九十九里
句読点
愚にかへる
喰ひちらす
櫛一つ
靴ぬいで
靴のあと
靴ヒモのよう
靴洗う
靴磨き
栗ご飯
鍬入れる
薫風よ
口あける
口づけす
口渇く
国を行く
国訛り
黒き目を
昏れゐたる
首飾り
唇開く
唇甘し
厨口
厨窓
組体操
草の闇
草の上
草の色
草の中
草の餅
草を摘む
釘のあと
釘をうつ
曇るべく
配ります
暮しの灯
暮の駅
暮の秋
暮れすすむ
暮れてより
暮れのこる
暮れまどふ
来る薄さ
俳句 ケ
<上・け>
ケーキ屋の
ケータイが
げきの中
ゲタの音
けつろ取り
ゲルニカや
ゲレンデに
ゲレンデは
けんかして
煙吐く
下校時の
下車駅は
下駄で来し
下駄はいて
下駄箱に
化粧品
境内や
啓蟄や
携帯電話
景気よく
芸術家
激論の
結局は
結露した
月出ずる
健啖は
限界の
今朝もまた
今朝摘みし
蹴る石も
消しゴムは
消しゴムを
<中・け>
ケーキの街の
けむりて見ゆる
けむりて暮るる
けむりの如き
けらけら笑う
けられなぐられ
ゲリラ豪雨が
ケンカした日の
げんきげんきと
煙がくれに
煙のかかる
煙のはしを
煙の先に
煙の中に
煙の如き
煙らしてゐる
煙一筋
煙這い行く
下駄の流るる
敬礼受ける
景色が違う
景色に映える
健康いっぱい
献血車から
鍵盤あそび
鍵盤叩く
元気ありすぎ
元気にうごいて
元気を測る
源氏絵巻や
削り細めし
消せずに冬の
毛糸の編み目に
煙は空に
<下・け>
けしきにて
けたたまし
けとばした
けなげかな
けぶらへる
ケヤキの木
けんかちゅう
煙立つ
下校する
下駄の音
下駄の跡
下駄の泥
化粧して
芸術品
劇に泣き
劇作家
県境
減少す
源氏物語
玄米茶
蹴りかえす
蹴り落す
消されぬ灯
消してくれ
毛並よき
俳句 コ
<上・こ>
「ご苦労様」
こいのぼり
コーヒーの
コーヒーを
こおろぎが
こおろぎと
こがらしに
こけ石の
コスモスの
コスモスも
こたつだと
コタツ布団
こたふるは
こだまする
こっくりと
こつこつと
こっそりと
ことごとく
ことさらに
このおかず
この街の
この金魚
この指に
この星の
この道に
この年を
この路は
この路地の
こひつじは
こぶし程
ごぼごぼと
こぼるるや
こぼれ目に
こまごまと
ゴム長に
こめかみの
これなあに
これ以上
これ写楽
ころころと
ごろごろと
こんなこと
こんなにも
こんにちは
コンパスの
衣替
衣替え
越してゆく
極楽へ
金色の
金平糖
言葉って
言葉より
古稀すぎて
五円玉
五七五
五線譜に
後悔を
御利やくを
交番から
光陰を
公園で
公園に
公園の
工場の
校長の
校庭に
校庭の
甲子園
硬球を
紅白に
紅白の
紅葉の
荒天の
郊外に
鉱山の
高原の
高低に
合格の
豪快に
轟々と
国境に
国際線
黒人の
黒板に
腰かくる
腰掛に
今年こそ
困っても
婚礼の
紺色の
紺碧の
子が産まれ
子が剥きし
子とともに
子どもの日
子に遊ぶ
子のためか
子の顔に
子の靴が
子は遠く
子らもみな
子を叱る
子を乗せし
子を負ふて
子を訪ふて
子供達
試みに
秋桜に
秋桜の
小家建つ
小春日に
小春日は
小春日や
小包を
転がせば
転んでも
凍える手
怖いよね
米を研ぐ
娘の唇や
木の間から
木洩れ日に
木枯しで
木枯しの
木枯らしが
木枯らしに
木枯らしを
木漏れ日に
木漏れ日の
来ぬ人を
恋がしたい
恋すれば
恋をして
渾身の
<中・こ>
こえ澄み通る
コートの下の
コーヒースタンド
こくりこくりと
ここに橋ある
ここまで酔うか
こころときめく
ここを通れば
こさえた雛が
こすってこすって
こたつがすわる
コタツに入ると
こだはりぬけて
こだわり語る
ごつごつした手は
こっそり私を
こっちにくるよ
こっちを見つめて
こっちを見ながら
ゴッホをこえる
ことと音せし
ことば聞きつつ
ことは忘れて
ことりと開く
ことりと触れし
コトリと落ちし
ことんことんと
この海だったと
この子なかなか
この不思議さが
こぼして去りし
こぼれて暗き
こまごま見えて
ごみ箱にある
こよなく愛す
これから描く
これで最後の
ころがしすぎて
ころがし出てり
ころがすうちが
ころがりとまる
ころがり合ふて
ごろりと歌う
コロリと落ちた
こわくて言えぬ
こんがらがってる
こんこん叩く
こんじきの日矢
コンビニ行くな
ご飯の匂いと
越ゆるジーパン
金剛力や
言葉こぼして
言葉のような
孤独を慕う
故山の情を
五才の瞳が
五人と二匹
五百羅漢の
鯉のはねたる
好みの猪口や
工場の塀に
校歌に晴るる
校歌をのせし
校舎の向こうに
校舎の壁を
紅茶の湯気の
講師の声や
高校生の
合格通知が
国語辞典が
腰を下ろして
今年で最後の
今年のぼくは
今年の運を
今年の海の
今年釣れたの
今夜の食事
子だくさんだね
子どもが吹いてる
子どもの笑顔
子どもの世界が
子どもをだいて
子に手をひろげ
子のハンカチの
子の手のまるさ
子の話する
子牛のように
子供にもなれる
子供の笑顔が
子供まかせの
子等と遊ばん
子等に混じって
子猫が顔出す
小石の如き
小石包める
小鳥が家族と
小鳥はとっても
心いつまで
心が燃える
心づもりを
心で描く
心にとける
心のドアを
心の傷を
心の雪も
心の窓の
心の中まで
心の中を
心は遠くへ
心も一緒に
心も青く
心を映す
心を焦がし
心を乗せる
声が運んだ
声くぐもらす
声にとろける
声のかさなる
声の高きは
声の先っぽ
声はれやかに
声も一緒に
転げ落ちそな
凍える北風
濃き谷かげや
濃ゆき海なり
氷かえすよ
怖いもの見たさに
木枯らし一号
来ぬ日もありて
暦見返す
恋さまざまに
恋の終わりを
恋もしずくも
恋も仕事も
恋をうらやみ
恋をさそふや
恋をしたって
氷れる空を
声は虚空に
<下・こ>
ごあいさつ
ごう速球
ここかしこ
ここだけの
ここにいる
ここに絶ゆ
ここに置く
ここまでも
こたつにて
こちを見る
ごとく見ゆ
この一瞬
この寒さ
この甘さ
こぼれつぐ
こぼれ居り
こぼれ落つ
こまってる
ころんでる
こわくなる
こゑかくる
コンペイトー
衣がえ
越えてゆく
越しの恋
恐くなる
金平糖
言葉にて
古人の句
弧を描く
故郷かな
湖国なる
五羽殺す
五官かな
五肢洗う
五十年
五線譜に
五六日
五六本
午前9時
御所の土手
誤字の絵馬
鯉のぼり
鯉二匹
鯉幟
交差点
公使館
幸福に
更衣
硬貨鳴り
高野山
高齢化
合格鉛筆
合格者
合格証
刻が来て
告白す
腰かけぬ
此市民
困ってる
紺がすり
細やかに
仔牛かな
子が帰る
子が笑う
子ども達
子と住めり
子と母と
子にとまる
子に読ます
子の帰る
子の手術
子の寝いき
子の夢路
子はゴッホ
子は起きぬ
子らと漕ぐ
子育て中
子供の目
子供来る
子守唄
子守唄
子等の声
子等の昼
子等もぐる
事もよし
小言聞く
小商い
小正月
小銭投げ
小鳥かな
小鳥たち
小鳥来る
小盃
小買物
小風呂敷
心あて
心まち
心地よし
声がわり
声きこゆ
声も消し
声をあぐ
声太き
声透る
声放つ
漕いだ夏
転びけり
凍ってる
答えけり
如きかな
如くかな
濃きうすき
濃きココア
濃くなるを
濃く書こう
濃く小さし
濃紫
粉薬
木がくれに
木漏れ日と
恋ごころ
恋してる
恋のよう
恋の音
恋の花
恋の始まり
恋の色
恋ひ来たる
恋をして
恋をする
恋始め
恋終わる
恋心
恋模様
炬燵かな