クリスマス「(冬)行事」【最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」/蜂谷一人】

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クリスマスソング捨て傘束ねられ   高柳克弘「寒林(2016)ふらんす堂」

見たことがあります、この句と同じ光景。渋谷のイブの夜でした。街に聖歌が流れる中、ビニールの傘の束が捨てられていました。罪もないのに縛められて。清らかな天上世界とゴミの溢れる地上。対照が鮮やかな一句です。クリスマス、捨て傘、「す」の音が重なって空虚なリズムを作り出します。何となくすーすーしているのです。クリスマスと言えば「都会は華やかなイルミネーションに彩られ町も人も活気に満ち、クリスマスソングが流れて浮き立つようである」と歳時記に。喜びに溢れた句を作りたくなる季節です。しかし作者の関心はそこにはありません。作者の目は地上のリアルな現実に向けられています。

 

プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」

公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html

 

最近の句集から選ぶ歳時記「キゴサーチ」(冬)

 

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