俳句に欠かせないもののひとつが歳時記。多くの方が季語の意味を確認したり、例句を参照したりしているのではないでしょうか。読み通す人は案外少ないはず。ところがタレントの武井壮さんは、初学のころ通読したとおっしゃっています。読み通すだけでなく、例句をいくつかの型に分類。英文法で主語+動詞(SV)とか主語+動詞+目的語(SVO)とかの型を学んだと同じように、名句の構造を書き出して頭にいれたとのこと。常人にはなかなか真似のできないことですが、確かに効果がありました。その後の上達振りは俳句さく咲く!、NHK俳句でご覧いただいている通り。歳時記の活用法としてはもっとも効果的なものかもしれません。
武井さんのすごいところは、網羅して法則を見つけるという手法をあらゆる場面で、駆使していること。実はこれ、知の巨人 立花隆さんの手法と同じなんです。立花さんは同一テーマの本をメートル単位で購入。(床から積み上げた高さです!)読破して、共通のルールを発見したとか。武井壮さんにも同じすごみを感じとってしまします。
プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」
公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html