よく物語でいう起承転結とは、漢詩の1種の絶句(1行が5字または7字)といわれた4行定型詩における構成のことを指します。
同様に、古来短歌と連歌において上の句と下の句との繋がり方が重視されました。
詳しく言うと、下の句が上の句に対し、順接的か逆接的かに大別される場合が多かったといえます。
そのような下の句中に『結局作者がいいたいテーマへの思い』が込められていて、注目される傾向があったのです。
現代人にとってなにゆえ重要視されるか不可解となりやすい『切れ』も短歌と同様に、漢字を用いた古来の定型詩の構成上、切れの前後において、転聯または結聯へ繋がって落ち着くような効果を生じさせる狙いがあります。俳句は短歌より短いため、字数の少ない『切れ字』を使用することにより、短歌では表現できる内容の深みが省略され、テーマが切れ字とともに提示されるに留まるという、1つの定型がでてくるということになります。
主として、連歌や俳諧、俳句においては、短歌の下の句に例えられる切れの後の文字が、上の句に相当する切れの前に対し、肯定的な繋がり方をして、テーマ関連内容を深く突き詰めるスタイルが、いいと評価される作品に共通する点である傾向が強いといえます。なぜかというと、皮肉(アイロニー)や嘲りに余韻はなく、川柳となりますから、肯定感により他者を俳句世界に引きこみ、その他者をして余韻を生じさせしめるというわけです。