外来語を使うとハードルが上がります。つまり句会で高得点を得るのが難しくなります。俳句は日本の文芸ですから、外来語はうまく馴染ないという意見の方がいらっしゃるのです。
なるほど一理ありそうです。しかもコンビニエンス・ストアをコンビニ。スマートフォンをスマホと略すなど論外とか。
ところがそういう方でもデパート、テレビなどのカタカナを使ったりもします。デパートメント・ストア、テレビジョンでは長すぎて俳句に用いづらいのでしょう。さらに歳時記にはナイターなどの和製英語もちゃんと載っています。
結局のところ、耳に違和感のある外来語は駄目。安易な略語はもっと駄目。でも、ある程度の歴史を持ち、日本語として受け入れられていれば和製英語でもOKということなのでしょう。
その理由について考えてみましょう。あなたは自分の作品を何年先に残したいですか?そう問われたらなんと答えますか?一年?十年?百年?一年先が目標なら、スマホを使うのにためらうことはありません。一年後にもスマホはちゃんと残っているでしょう。では十年後?スマホがあるかどうかちょっと怪しくなってきました。十年前といえばスマホは出たばかりで多くの方が携帯電話、今日のガラケーを使っていたはずです。百年前?勿論スマホもコンビニもこの世に存在していなかったでしょう。
もしもあなたが百年後に作品を残したいなら、安易な外来語は駄目。外来語は和語とくらべて消えてゆく時間が短いのです。百年後の人が理解できない言葉を使用した句が、百年後に残るはずがありません。ちなみにトリノ・オリンピックでフィギュアスケートの荒川静香さんが金メダルをとったとき、日本中の俳句愛好者がイナバウアーを詠みました。覚えていますか?身体をそらせて滑る技の名前です。トリノ・オリンピックは2006年。すでに知らない世代も増えてきました。あなたは今、イナバウアーを詠む勇気をお持ちですか?
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