- 団扇持ちてたそがれ顔の庵主かな
- 蛍這へる葉裏に水の迅さかな
- 山焼の茶屋に書きたる手紙かな
- 黄水仙に尚霜除のありにけり
- 腹減るとにはあらねども蕨餅
- 雛芥子は美しけれど妹恋し
- 夕暮やけしの坊主の又殖ゆる
- 鯒王の砂ゆるがして游ぎけり
- 一夜々々星高くある槐かな
- 冷かな灯にかゞみ書く畳かな
長谷川零余子 プロフィール
長谷川 零余子(はせがわ れいよし、1886年(明治19年)8月20日 - 1928年(昭和3年)7月27日)
長谷川 零余子(はせがわ れいよし、1886年(明治19年)8月20日 - 1928年(昭和3年)7月27日)