もしも、俳句の宿題が出たらどうしますか。慌てずにすむように、簡単に一句作る方法を伝授しておきましょう。まず、四音の時候の季語をみつけます。歳時記で探すのが一番ですが、持ってなくても大丈夫。グーグルで「秋 時候の季語」と検索するとずらりと結果が示されます。
時候というのは手紙の書きだしに使う言葉。「秋めいてまいりました」とか「爽やかな時候となりました」とか、そんなフレーズを目にしたことがありませんか。この「秋めく」「爽やか」が時候の季語。かたちを持たない季語なので、ゆったりと一句を包み込むように働きます。四音であれば、これに切字の「や」をつけると上五が完成します。「秋めくや」「爽やかや」こんな感じです。
次に自分の写真を撮ります。眼鏡をかけているだとか、まつ毛が反り返っているとか、そんなことを十二音にまとめます。写真を撮るのは、抽象的な概念でなく、写真に写る具体的なモノを詠み込むためです。自分でなくても、自分の部屋でもいいのですが、私の場合は散らかりすぎていて、短い言葉にできそうもありません。自分の顔ならほどよい「散らかり具合」なので好都合。しかも自分の顔なので、ディテールを熟知しているはず。あとは、季語と写真の内容を組み合わせるだけです。
秋めくや眼鏡のつるのやや撓む
爽やかや細きまつ毛の反り返る
こんな具合です。すごくいい句という訳ではないけれど、なんとか形になっています。大切なことは、中七下五がひと続きのフレーズになっていること。中七下五が季語と無関係であることです。関係のある言葉を置くと「つきすぎ」となってしまうのでどうぞご注意を。
付け加えると「秋暑し」のような五音の季語の場合は「や」をつけずに上五に置きます。
秋暑し上を向きたる鼻の孔
「爽やか」のような快適な季語の場合は、自分の顔の好きな部分。「秋暑し」のような不快な季語の場合は、嫌いな部分を詠むとうまくゆきます。季語の「気分」と内容がぴったり合うからです。
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