お茶、お水、お菓子、お子様ランチ。お日様、おみ足、なんてのもあります。日本語には「お」がつく言葉が沢山ありますよね。「俳句さく咲く!」で塚地武雅さんが詠んだ句にも「お」が入っていました。
松茸のお吸い物飲み秋思う
選者の櫂未知子さんから、松茸も愁思も秋の季語。季重なりのうえ、「お」が不要と指摘されました。俳句では丁寧の気持ちを表す接頭語「お」を使いません。お吸い物ではなく、吸い物。お茶の花ではなく、茶の花。「茶の花」は冬の季語ですが、「お茶の花」とした句をよく見かけます。季語に接頭語の「お」がついたものは稀。「お彼岸」などいくつかしかありません。どうぞご注意を。
ちなみに「御御御付」何と読みますか?御が三つもついた究極の丁寧表現ですよね。「おみおつけ」と読みます。味噌汁のことです。
プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」
公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html