誰でも知っているつもりで実は全然わかっていない季語の代表。そんなことはない、と息巻くあなた。鈴虫と松虫の声の違いが言えますか?聞けばわかっても、それを言葉でどう表現するのか?あるとき、動物物真似の江戸家小猫さんに違いを教えてもらいました。その時の名文句が「鈴虫の声は平泳ぎ」。この意味、解りますか?リリーン、リリーンと手で水をかくようなリズムで音がゆったりと広がっていくのだそうです。一方松虫の声は一直線に。こんな風に虫の声を言葉に出来たら素敵ですね。
プロフィール
蜂谷一人
1954年岡山市生まれ。俳人、画人、TVプロデューサー。「いつき組」「街」「玉藻」所属。第三十一回俳壇賞受賞。句集に「プラネタリウムの夜」「青でなくブルー」
公式サイト:http://miruhaiku.com/top.html