行きつけのラーメン屋さんには具の違いによって色々なメニューがあります。チャーシュー、ネギ、味付け卵、もやし、ほうれん草。付け加えるごとに値段が上がってゆき、全部盛りにすると千五百円にもなります。見た目は豪華ですが、私はあまり好きではありません。具が邪魔しあってスープの味を損なうように感じられてしまいます。 俳句の世界で...
超初心者向け俳句百科ハイクロペディア
超初心者向け俳句百科ハイクロペディアの記事一覧
私は俳句番組のプロデューサーとして俳句の現場に関わってきました。俳人の先生方と交わり、数多くの意見に触れてきました。こうした経験を通して俳人ごとに見解が違うことや、あえて説明しないことが多々あると気づきました。暗黙のコミュニケーションを重視する日本の伝統なのかもしれません。 ところでテレビは全てを明示しなければならない...
群青と青のはざまを遍路たち 一人 拙句を例に「を」の用法を考えてみましょう。群青は海。青は空ですから海と空の出会うところを白装束の遍路たちが歩んでいる、そんな景が立ち上がります。原句のままですと、はざまを移動している感じが強く出ます。「を」は空間の広がりを表す助詞だからです。仮に「はざまの」であったらどうでしょう。...
戦争が廊下の奥に立つてゐた 白泉は無季俳句の可能性を追求した俳人です。どこの廊下でしょうか。学校?役所?長い長い廊下の奥に暗がりが広がっています。さだかには見えませんが暗がりの中に何かがぬっと立っています。長靴を履き、ゲートルを巻いた脚でしょうか。目をこらしてもよく見えません。でも何か不穏なものであることは確かです。こ...
入門書には「感動を言葉にしよう」的なことが記されています。間違ってはいませんが、あなたは毎日感動しますか?感動しないのに毎日俳句が作れますか?はい、作れます。それが連想法です。櫂未知子さんが提唱するもので、季語から次々に連想する言葉を並べてゆくものです。ルールは二つ。①季語を連想してはいけない。②前に出た言葉は忘れる。...
俳句にはいくつもの賞がありますが、30句、50句と連作で応募しなければならないものもあります。 そんなときは、並べる順番に注意してください。まず、季節は順を追って並べるとよいでしょう。新年の季語の次に大晦日の句が来たら、頭がくらくらしてしまいますよね。だからと言って、必ず新年から始めなければならないというルールはありま...
先行する他の俳句に似ていることを類想といいます。どんなに素敵な句でも先行句があれば、そちらが優先。どれだけそっくりかにもよりますが、大抵の場合 賞に応募しても失格となります。実際問題として俳句は短い詩ですから、はからずも似てしまうケースは多々あります。そんなときは潔く自作を引っ込めるしかありません。 最近では外国語の俳...
俳句は17音と短いので長い言葉をよく略します。例えば、きりぎりすを「ぎす」。足の裏は「あうら」。ところで辞書を引くと「あうら」は載っていません。辞書にない言葉は使ってはいけません、と仰る先生もいて初心者は悩むことになります。じゃあ、どうするか?わかっていて使う。つまり確信犯です。あしのうらと五音を使ってあえて字余りにす...
言葉やフレーズを繰り返すこと。音楽的な表現で歌詞によく見られます。俳句は十七音と短いので多用はできませんが、成功すると大変印象的になります。 西国の畦曼珠沙華曼珠沙華 森澄雄 西国には多くの霊場があり、街道を遍路が旅します。畦には曼珠沙華。花の名を繰り返すことで 真っ赤な映像が重なりどこまでも赤い畦道が目に浮かびま...
俳句で忌み嫌われるのが理屈です。日常生活でも理屈っぽい人は敬遠されがちですが、俳句でも同じ。俳句でいう「理屈」とは因果関係のこと。例えば窓を開けて紅葉を見た、という類です。間違ってはいませんが、詩のことばとしては平凡。 障子しめて四方の紅葉を感じをり 星野立子 この句のように 障子を閉めたら紅葉の気配を感じた、と理...
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