25歳でこの世を去った自由律の俳人。本名は春美。死に向き合いながら、青春性に満ちた句を世に残しました。まずその生涯を簡単にご紹介しましょう。 1961年岡山市に生まれ、中学卒業後調理師専門学校で学びながら、レストランで働きます。 16歳で年上の女性と同棲。 19歳で清掃業に転職。このころから宗教と俳句に興味を持ちます。...
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奔放で天才的な句風で異彩を放った俳人。句柄が大きく、耽美的な美しさを備えた作品で知られます。 花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ Eテレの番組「歳時記食堂」で宇多喜代子さんは、久女をこう評しました。「作品は尊敬します。でも実生活では、あまりお友達になりたくないわね」どういうことなのでしょう。久女が俳句の師である虚子にあてた手...
俳句を言葉で描く絵画と考えることが出来ます。デッサンに相当するのが写生。もののかたちを写し取ります。しかし、絵画は色を持っています。色を主体に俳句を作ってみるのも楽しい経験です。 冷房の下着売場の白世界 草間時彦 今の下着はカラフルですが、ひと昔前の下着は白一色でした。掲句はデパートの景でしょう。エレベーターが止ま...
対馬康子さんは俳句の五段飛ばしを勧めています。五段飛ばしとは推敲の際、次の五つのステージで内容を考えようというもの。 1 原句 2 表現を整える(季語+五七五) 3 設定を広げよう 4 違うものと取り合わせる 5 見えない世界へ 必ずしも五段目が一段目よりすぐれているという訳ではなく、あくまで頭の柔軟体操として俳句の可...
口の悪い方がこんなことを言っていました。俳句の結社は「組」のようなもの。入るのは容易いが、抜けるのが難しい、と。かつて結社の統制が厳しかった時代にはそうだったでしょうが、今はそんな例は減っていると思います。とはいえやはり相性というものがあり、入ってよかったと感じることと、窮屈に感じることがあるのも事実。決め手は主宰との...
切れは切字を用いずに作ることもできます。例えば句の途中に動詞や形容詞の終止形を用いるとそこで切れます。 暖かし猫につきたる子の刈毛 田川飛旅子 暖かしは形容詞の終止形。暖かしと猫の間で切れることになります。 また名詞+名詞のかたちが現れたらその間が切れになります。 ところてん煙のごとく沈み居り 日野草城 ところ...
文語では形容詞の活用に「かり」がつくことがあります。否定の「ず」や切れ字の「けり」を伴う場合などに用います。 たとえば「多し」の場合 多からず(未然) 多かりけり(連用) 「うれし」ならば うれしからず(未然) うれしかりけり(連用) 馴染みが薄いせいか、投稿などに多くの間違いが見られます。よくあるのが「うれしけり」と...
初めて文語を使う場合、間違えやすいものに動詞の活用があります。例えば「落ちる」という動詞を辞書で引いてみましょう。広辞苑では お・ちる(落ちる・墜ちる・堕ちる)(自上一)とあります。最初のお・ちるは読み方。次は漢字。自上一は自動詞上一段活用を表しています。ここまではすべて口語。本稿で重要なのはその下。文お・つ(上二)と...
お茶、お水、お菓子、お子様ランチ。お日様、おみ足、なんてのもあります。日本語には「お」がつく言葉が沢山ありますよね。「俳句さく咲く!」で塚地武雅さんが詠んだ句にも「お」が入っていました。 松茸のお吸い物飲み秋思う 選者の櫂未知子さんから、松茸も愁思も秋の季語。季重なりのうえ、「お」が不要と指摘されました。俳句では丁寧の...
雨がざあざあ、犬がわんわんといったことばを オノマトペと言います。中でも「ざあざあ」などの状態を表すことばを擬態語、「わんわん」などの音を表すことばを擬音語といいます。俳句の入門書には必ずオノマトペの章がありますが、私は疑問に思っています。初めのうちは避けたほうがいい、というのが私の意見。何故ならオノマトペを使いこなす...
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